たこわさ

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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第2話「ダイとレオナ姫」感想――ダイ爆発!!!

小さな勇者、ダイ

今回の満足度:4点(5点満点中)

(以下、ネタバレ含む)

あらすじ

ニセ勇者を倒したことで、ロモス王の信頼を得たダイ。
ある日、そのロモス王からの紹介で、パプニカ王国の姫レオナがデルムリン島を訪れる。
かつてデルムリン島で行われていた王家の儀式を復活させる為、やって来たのだという。その案内役と護衛をダイに頼みたい、ということだった。

しかし、開口一番でダイがまだ子供であり小さいことを笑い飛ばすレオナに、ダイは不満げ。
渋々と言った体で島の案内をするダイだったが、共に過ごすうちに、レオナが単にズケズケと物を言う女の子であり、悪気がないことを理解していく。

だが、ダイとレオナがすっかり打ち解け儀式の準備を進める中、彼らの背後には怪しい影が――。

感想

今回の第二話は、読み切り作品「大爆発!!!」前中後編のアニメ化となる。

当時はレオナのジャンプ漫画ヒロインらしからぬ我の強さにびっくりさせられたものだが、彼女は作中でも描かれた通り、死に瀕しても他人を思いやることができる優しい少女でもある。
むしろ今の時代にこそマッチするヒロインかもしれない。

早見沙織さんのある種大人っぽい声色も、最初こそ違和感を覚えたものの、見続けている内に「なるほど、この声は確かにベストだ」と思うようになった。

原作との相違点など

さて、今回もいくつか原作との相違点があったが、概ね問題点とは思えない部分だった。むしろ原作の「やりすぎ」部分を上手く補正した感もある。

例えば、バロンが魔法の筒からキラーマシーンを呼び出すくだり。
原作では、ルーラ(帰還呪文)で帆船に戻ったバロンが、船を破壊しながらキラーマシーンで登場するのだが……「まてまて、船を壊す意味あったか?」という感じだったので、魔法の杖から呼び出す方がしっくりくる。

ただ、「魔のサソリ」との戦いのシーンは、ダイが空中機動していたりと、少々首を傾げる部分もあった。
原作では空を飛べるモンスターの力を借りて倒していたのだが……この辺りは作画リソースの都合かもしれないw

大きな不安はないものの、少々違和感を覚える部分も

作画や脚本については、上記の通り不満点などはほぼない。
ただ……全体的に「溜め」の演出や、大写し(漫画などで言う一枚絵的な構図)が少なく、ダイナミックさに欠ける構成が気になった。
戦闘シーンなどは流れるように進み見応えがあるのだが、その分、ある種の外連味が足りない。
もう少し大胆に、キャラクターが見栄を切るくらいの演出がほしいところだ。

また、満を持して登場したアバン先生(とポップ)だが……櫻井孝宏氏のボイスだからか、黒幕感のただようアバン先生になったな、と(苦笑)。
もちろん、アバンというキャラクターは「簡単には底を見せない」という意味で、読者にとってもミステリアスさが付きまとう人物だったので、ぴったしと言えばぴったしなのだが。

少し気になったのが、アバンがモンスターに襲われる港町を「兵士だけでも対処できる」と看過していた点。
もちろん、モンスターだらけのデルムリン島で、ダイが危機に陥るであろうことを察しての行動なのだろうが……どうも、アバンという人物の行動原理と噛み合わない気がする。
アバンは戦略的な視点を大事にする人間ではあるが、目の前の人々の危機を看過するだろうか? と。

尺の問題もあるのだろうが、もう少し描き方があったのではないか、と思ってしまった。*1

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*1:例えば、道中で暴れ出したモンスターを倒した後らしいアバンとポップの姿を描き、そこから船出させる、など