彼方のアストラ #12「FRIEND-SHIP」感想――最後の試練を乗り越え、いざ故郷へ!
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
自らの右腕と引き換えに、刺客の心を救ったカナタ。
本当の意味での仲間となったカナタ達だったが、彼らにはまだ向き合うべき真実と、戦うべき敵がいた。
人類の歴史に隠された秘密とは?
カナタ達は、オリジナルの妨害を乗り越え無事に帰還することが出来るのか?
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感想
最高の最終回だった。
もちろん、人類が比較的あっさりと「歴史の真実」を受け入れてしまった点は、多少はご都合主義と言われる部分かもしれないが……そういった所を延々と描かれても、せっかくのエピローグに水を差すだけだ。
本作はあくまでも「明快な少年漫画」なのだ、という作者・制作陣の熱いメッセージを感じてやまない展開だった。
最後まで隠されていた謎、「なぜ人類の歴史が改ざんされたか」については、何とも納得出来る理由だった。
思想を、言語を統一し、争いの種になる技術を排除する。これは、SFでは定番の一つである「完全管理社会」を成立させるファクターと共通する。
ユートピアとディストピアは紙一重、などと言われるが、惑星アストラがそういう社会になりつつあったのは、想像に難くない。
世界政府が、カナタ達の根強い説得があったとは言え、歴史の真実を明かそうという決断に至ったのには、恐らく人類の行き詰まりを示すような、何か他の要因があったようにも思える。
滅びはしないが、緩慢な平和が続いていく世界。
それは実に幸せなのだが……もし、アストラに地球に起きたような悲劇が降り掛かったとしたら、戦う意志をなくした人類は、今度こそ滅んでしまうかも知れない。
そういった危機感が、実は根底にあったのでは、と邪推してしまった。
カナタのベストセラーネタは、一見ギャグのように描かれているが、それも裏を返せば「未知への憧れ」という人類の進歩を促す感情に、人々が飢えていたことを指すのではないだろうか?
本作は少年漫画的な都合を優先して作られているが、その一方で、裏側に熱いテーマが込められているのではないかと、そこかしこで感じるものがあった。
本当に素晴らしい作品であったと思う。
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