たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

フルーツバスケット 第25話「もうすぐ夏がやってきます」感想――1st Season最終回

フルーツバスケット 1st season Vol.4 *BD [Blu-ray]


今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

夾の本当の姿を巡る事件も終わり、朝が来ていた。
ふと夾が目覚めると、部屋からは藉真の姿が消えていた。紫呉によれば、夾が目覚める前に発ち、透が送っていったのだという。

その頃、藉真は透に対し、夾を引き取った経緯を明かしていた。
藉真の祖父も猫憑きであり、幼い頃の彼は祖父にひどい言葉を吐いたという。その後悔が、夾を引き取らせたのだ、と。罪滅ぼしのつもりだったのだ、と。

しかし、そう話す藉真の姿を見て、透はある意外な言葉をかける。
その言葉に驚く藉真の前に、後を追ってきた夾が姿を現し、思いの丈をぶつけるが――。

感想

まだまだ…お前は世話のやける息子だよ、夾

「フルーツバスケット」の名台詞を一つだけ選べと言われたら、私はこちらの言葉を推したい。
原作を読んだ時にはそう思ったものだが……今回のアニメは、その気持ちを再認識させる、素晴らしい出来だった。

互いに親と子として強く思い合いながらも、すれ違ってきた二人が……ようやく本物の「親子」になれた。
藉真は罪の意識を感じていたようだが、我が子が強く生きていける為に、あえて試練を与えるのも親の役目。特に藉真、ただ無理強いするのではなく、透という「勝算」を得てから事に及んでいるので……まあ、ある意味で過保護とも言える親バカぶりだ(笑)。

それでも、夾を本当の息子だと思っていなければ、どこかで遠慮が働いていたことだろう。
だから、藉真は紛れもなく夾の父親なのだと断言できる。


さて、一方……夾の本当の姿を巡るあれこれを眺めていた由希には、心境の変化が。
夾に対する態度が更に頑なになっていたり、透に対して独占欲のような感情を見せたりと、彼も彼なりに戦う気になったらしい。
……とは言え、由希の本当の気持ちは、まだまだ心の奥底にしまわれたまま。
視聴者がそれを目にするのは、2nd Seasonまでお預けとなる。

……カンの良い人は、既に気付いているのだろうが。
原作既読の身としては、アニメだけを純粋に見ている方の為にも、ここではネタバレしないこととする。



さてさて、新キャラも顔見せさせつつ、1st Seasonがここに終了した。
開始直後は、あまりにも初代アニメとかぶらない事を意識するあまりか、原作とはやや乖離した表現も目立ったが、後半はそういった部分も目立たなくなり、実に良質なアニメ化に落ち着いた印象を受けた。

2nd Seasonは2020年。
楽しみに待ちたいと思う。