彼方のアストラ #11「CONFESSION」感想――遂に明かされる「彼」の真実。それを前にカナタ達は……
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
カナタ達により正体を暴かれた刺客。
観念した彼は、自らの生い立ちと使命を語り始める。
更には、彼の口からアリエスの出生の秘密も明かされることに――。
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感想
終始、カナタの発言が熱いエピソードだった。
大義ではなく、賢しい言葉でもなく、「お前は何がしたいんだ。どう思っているんだ」という、彼らしい真っ直ぐな言葉は、大人になればなるほど様々なものに縛られ、出てこなくなるものだ。
セーラという太陽を失ったシャルスは、考えることを放棄し、自分が作られた意味――他人から与えられた使命に殉じることで、悲しみから逃げようとした。
その姿は、死に怯え邪道に堕ちた大人達の姿とも重なる。やがて来る死に向き合わずして、果たしてそれは「人生を全うした」と呼べるのか……?
カナタが大人達の身勝手さ、臆病さを喝破したような、そんな光景にも見えてしまった。
さて、前回までで唯一謎だった、セーラの正体は……シャルスの遺伝子上の娘にして「姉」である、王女だった。
そしてアリエスと彼女の繋がりは、散々張られていた伏線通り。ただ、どうやらセーラは昏睡どころか死亡しているようなので、その点は予想外と言えば予想外か。
もっとも、シャルスが狂気に堕ちかけている理由付けとしては、可能性のある「セーラの復活」よりも、「アリエスをセーラとして祭り上げる」という倒錯した動機の方が、相応しいとも思える。
しかし、そんな諦めという名の狂気も、カナタの身を張った行動により、振り払われた。
――彼が右手を失ったことについて……「手を伸ばさなければ大丈夫だったんじゃない?」等と言ってはいけないだろう。
カナタのことだから、我が身を死亡スレスレまで晒さねばシャルスの悲しみに向き合えないと、直感的に気付いていたのかも知れない。だからこそ、彼は分かっていて右手を差し出したのだと思う。
試練を乗り越え、真の仲間となったカナタ達。
しかし彼らが無事にアストラへ帰還しても、今度は大人達の陰謀と戦わねばならない。
ゲノム管理法が成立しているわけで、世間はクローンたるカナタ達「被害者」の味方となってくれるはずだが……政府は、「地球」の存在をひた隠しにしてきた。
理由は未だ不明だが、その隠し事をしていた政府が、真実を知ったカナタ達の味方となってくれるかは、未知数だ。ポリーナの身の安全が保証されるかも。
次回はいよいよ最終回。
カナタ達は無事に帰還することが出来るのか? 未来を勝ち取ることが出来るのか?
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