彼方のアストラ #08「LOST AND FOUND」感想――絶望の中に一筋の光が……しかし
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
アストラ号と同系統の宇宙船「アーク6号」を発見したカナタ達。
アーク6号の中では、一人の女性が冷凍睡眠状態で助けを待っていた。
女性の名はポリーナ。
思わぬ先達との出会いに、沸き立つカナタ達。
しかも、アーク6号の破損箇所は偶然にもアストラ号とは違う部位であり、相互にドッキングし直せばアストラ号を宇宙航行可能な状態まで復元できることが判明し――。
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感想
今回もまた、情報量の多いエピソードだった。
ポリーナは腹に含んだものはなさそうだが……、カナタたちとの認識の差異が気になるところ。
ザックの思わぬクーデレムーブには、笑いを禁じ得なかった(笑)。
確かに、そこかしこで「あ、こいつキトリーの事『俺の嫁』くらいに思ってるな」と思わせる言動があったので、気になる方は一話から観直してみるとよいかもしれない。
……さて、そんな中、明かされてしまった衝撃の事実。
キトリーとフニシアが「同一人物」というザックの言葉は……今までの伏線から連想された状況に対する、何よりの証左となってしまったように思える。
以下は、原作未読である私による、現時点での予想。
考察がお好きでない方や、原作既読の方は読み飛ばしていただきたい。
まず、前回までの感想でも書いたが、カナタ達の多くは、やはりクローンに近い存在らしい。
そしてザックの父親達が研究していたのが「記憶の移植」となると、もうある程度の答えは明らかだろう。
- カナタの父親は、息子に自分が果たせなかった夢を背負わせるかのように、トレーニングを課していた。
- アリエス以外のメンバーは、親から我が子とは思えぬ扱いを受けていた。
- そして、キトリーとフニシアは同一のDNAを持つ存在だった。
ここから導き出せる仮説は、つまり彼らは「スペア」だった、ということだろう。
しかし、法令か何かの問題か、クローン作成か記憶の移植それ自体が違法行為になって、彼らは「一斉殺処分」される運びとなった……と推測される。
となると、アリエスとシャルスの存在だけが浮いてくるが、これもある程度の伏線があった。
- シャルスには、アリエスとよく似た、二度と目覚めぬ怪我を負った幼馴染がいる。
- アリエスは、田舎で友達もいないような環境で育てられた。
……まだ情報が足りないが、アリエスとシャルスの幼馴染が無関係とも思えず、またシャルスは幼馴染の写真に向かって、謝罪していた。
あれは、彼女を救う為に、カナタ達の抹殺を請け負っていた……が、彼らに友情が芽生えたため、それを諦めた、とも取れる。
……まあ、シャルスの本心はおいおい明かされていくことだろう。
そして、今回ポリーナの口から「地球に危機が迫っていた」らしいことが示唆された。
たかだか十数年前ならば、当然カナタたちも知っているはずだから、ポリーナ達が懸念していた事態は起こらなかった……とも言えない。
可能性は色々あるだろうが、恐らくは「カナタ達の知る西暦が正しくない」か「カナタ達の記憶が操作されている」かだろう。
実際に地球には「何か」が起きたのだ、と考えたほうが自然だろう。
何より、第一話でアリエスと話していたご婦人が「私も若い頃に惑星キャンプに行った」というような話をしていた。
彼女の若い時など、十年どころか数十年は前に見える。つまり、その頃には既に「人類が生存可能な惑星は発見され、キャンプ地にまでなっていた」ことになるわけだ。
この齟齬が示すものは、大きい。
アーク6号の傷み具合から見ても、彼らの共有している「西暦」という尺度自体に齟齬がある可能性もあるが……果たして、どうなることやら。
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