たこわさ

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ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note- 第1話「バビロンと刑死者と王の記憶」感想――あるいはその後のウェイバー・ベルベット

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

冬木の街で行われた「第四次聖杯戦争」の数少ない生き残りであるウェイバー・ベルベット。
彼は世界を巡る旅を終えた後、時計塔へと舞い戻り、亡き師ケイネスの教室を立て直すべく奔走していた。
しかし聖杯戦争から3年後のある日、ウェイバーはケイネスの義妹であるライネスによって拉致同然の招待を受けてしまう。

ライネスは問いかける。
何故、多額の借金をしてまで、落ち目のエルメロイ教室を買い取り、立て直しに奔走したのか? と。
幼いながらもエルメロイの後継者であるライネスの圧に圧されたこともあり、ウェイバーは渋々と言った体で、とある出来事を語りだす。
かつて、世界を放浪していた際に起きた、とある事件のことを。

それは、ウェイバーの友であり主君であるライダー=イスカンダル最期の地とも伝わる、バビロンを訪れた時のこと。
ウェイバーは、ちょっとした油断からはぐれ魔術師に捕らえられてしまう。
そこにはなんと、級友のメルヴィンも捕らえられていて――。

感想

遂に始まった第一話。
まずは、ウェイバー・ベルベットとロード・エルメロイⅡ世をつなぐエピソードが披露された。
ベースとなったのは、コミカライズ版「Fate/Zero」に収録された後日談だが*1、バビロンでの出来事はアニメが初出(のはず)。

Fate/Zero(14) (角川コミックス・エース)

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逞しくなったがまだ少年の面影を残すウェイバーと、ライネスと出会った頃の大人になりかけのウェイバーの演じ分けが巧み。
浪川大輔氏の底力を感じてしまう。

かの征服王の志を受け継ごうと必死ながらも、決して生き急いだりしないウェイバーの姿には、「生きろ」という王の最期の命令の色が強く……Fate/Zeroで涙した方には、心に来るものがあったのではないだろうか?
決した優れた魔術師ではないが、その分、魔術師としてのプライドに固執し目的や手段を見誤ることのない、ロード・エルメロイⅡ世の強さは、この時既にウェイバーの中にあったというわけだ。

ライネスは、「良いおもちゃを見つけた」とばかりに彼を義兄にしてロードの代役を押し付けたが……彼女も何も、自分の嗜虐趣味を満足させるためだけに、ウェイバーをイケニ……もといロードの代役に立てたわけではないだろう。
彼女自身が口にしていたように、「時計塔」のロードの地位というのはそんなに軽くないはずだ。
魔術師的な打算、そして彼女個人として琴線に響くものがあったから、であろう。

そしてそれは、おそらくメルヴィンにも言えることだろう。
当初はウェイバーを「親友」と呼びながらも、その本質は彼の魔術師らしからぬ言動を面白がって観察していたのだろうが……空港での会話が、「親友」という言葉を半ば真実にしてしまったことは、想像に難くない。
あくまで「半ば」なのだろうが(苦笑)。

この、味方でさえも一癖も二癖もある魔術師世界において、ウェイバー=エルメロイⅡ世がどのように活躍していくのか……私は原作小説既読の身ではあるが、アニメではオリジナル要素も盛り込まれるらしいので、楽しみにしていきたい。

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*1:また、コミック版「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」4巻等冒頭にも、同一ベースのエピソードが収録されている。