たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

さらざんまい 第十一皿(最終回)感想――また凄い最終回だった

【Amazon.co.jp限定】さらざんまい 4(全巻購入特典:「描き下ろし全巻収納BOX」「手乗りケッピぬいぐるみ」引換シリアルコード付)(完全生産限定版) [Blu-ray]

サブタイトルは↓
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

第十一皿「つながりたいから、さらざんまい」あらすじ

兄の姿を借りたカワウソの言葉に乗り、「縁の外側」へと向かってしまった悠。
悠は、過去の自分を消し去り、全ての繋がりを断とうとしていた。

ケッピと共に悠を追う、一稀と燕太。
三人の「繋がり」の元となったミサンガが消えぬうちは、まだ間に合うと信じ過去をさかのぼっていくが、カワウソや黒ケッピの妨害が激しく――。

感想

いつもながら様々な解釈の余地を残しつつも、視聴者がある程度共有できる共通の答えをも提示した、幾原監督らしい最終回だった。

少年院へ入ることになった悠の姿を見るに、カッパやカワウソの巻き起こした超常現象を抜きにしてしまうと、中々に洒落にならない事態が起こっていたのだとも邪推出来るが……それは言わぬが花、か。

確かなのは、たとえ現実がどれほど絶望的でも、たとえ未来に希望が待っていなくても、一稀達は「繋がる」ことを選んだ、という事実だろう。

本作では「欲望」が実に様々なもののメタファーとして語られてきたように見える。
言葉通り、自らの満足のために他者を犠牲にしてでも押し通すのも「欲望」ならば、「誰かのためになりたい」「一人は嫌だ」という「世界との繋がり」を欲するのも、また欲望だった。
そして「罪」を犯した人間が、許されないとは分かっていても人生を捨てない、周囲も捨てさせない、そんな想いもまた「欲望」。

恐らくそこに共通するものは、「生きるのを諦めないこと」なのだろうが……もちろん、意味はそれだけではないのだろう。

つながっても、見失っても。
手放すな、欲望は君の命だ。

本作のキャッチコピーの、なんと絶妙なことか。


「輪るピングドラム」でも「ユリ熊嵐」でも、本人の責任ではなく予め「世界の仕組み」として、何も与えられなかった、もしくは存在を許されなかった子供たちが、それでも運命に抗う姿が描かれてきた。
本作はそれを、比較的ストレートなテイストで描いた作品だったと、個人的には受け取ったのだが……この時点で監督の術中にはまっている可能性もあり。油断できない(苦笑)。


視聴者の我々に出来ることは、折りに触れて本作を思い出し――繋がり続けて――物語の意味を問い直してみることだけなのかもしれない。



劇中歌・挿入歌「さらざんまいのうた」「カワウソイヤァ」「放課後カッパー」はiTunes/Amazonで配信中

さらざんまいのうた

さらざんまいのうた

  • さらざんまい
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
さらざんまいのうた

さらざんまいのうた


カワウソイヤァ

カワウソイヤァ

  • さらざんまい
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
カワウソイヤァ

カワウソイヤァ