たこわさ

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さらざんまい 第七皿「つながりたいけど、裏切りたい」感想――一稀たち三人に訪れた穏やかな日々……?

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

春河との問題が解決した為か、一稀は昔のような快活な少年に戻っていた。
燕太と共にまたサッカーを始めたばかりか、悠をもサッカーに誘うなど、世話焼きの側面も見せ始める。

しかしある日、一稀達の練習場所が何者かによってゴミを撒かれ荒らされてしまう。
けれども一稀は挫けず、燕太と悠と共にそれを片付けてみせる。嫌がらせは連日続いたが、三人は力を合わせてそれを片付け続けた。

三人の絆はますます深まったかに見えたが――。

感想

穏やかな日常を描けば描くほど不穏な空気が漂うという、ある種鉄板の演出だった。
そして明らかになった、練習場所を荒らした人物の正体に……「ああ、やっぱりか」と感じつつも、強い衝撃を受けてしまった。

思えば、一稀達三人の欲望は似ているようで、その実、全く違っていた。

春河への罪悪感……愛するが故の自己犠牲、自己満足だった一稀の欲望。
亡き両親の為、兄の為、正しくないとは知っていても手を汚し続けた悠の欲望。

二人の欲望は、「家族の為」という思いが先立つものだった。

けれども燕太の欲望は違う。
表向きは「一稀の為」だったが、彼が一稀に元に戻ってきてほしかったのは、自分の隣にいてほしかったからだ。
全ては「自分の為」……けれどもその欲望もまた、人間として当たり前の感情でもある。

「欲望か、愛か」
その境目は、実際には明確ではなく……。

玲央と真武の関係もまた、単純に割り切れるものではないように見えた。
自らを救い命を落とした真武を、救いたいと願った玲央。しかし、カワウソの技術で蘇った真武は、真武であって真武ではなかった――ように玲央には映った。

真武は自分を本人である(完全に再現された)と信じているようだが、玲央はそれを認めない。
それは、玲央が求めていたのが、あくまでも「自分の中の真武」だったから、なのかもしれない。

本当のところは分からない。蘇生は失敗したのか、それとも死を経て真武が変わってしまっただけなのか。
けれども、たとえ本物であったところで、玲央の心はそれを認めないだろう。よほどのことが無い限りは。
その執着……拘りもまた、欲望や愛と呼べる割り切れぬ人間(カワウソ?)の心なのかもしれない。


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