revisions リヴィジョンズ　Case9「消失の運命」感想――大切なものを失った大介達の運命は

今回の満足度：5点（5点満点中）
（以下ネタバレ）

慶作は時空の彼方へ消えた。
彼の死を受け止めきれない大介達は、お互いに感情をむき出しにし、今までにない程に罵り合ってしまう。

だがそんな中、黒岩に反感を持つ一部の役人が共謀し、泉海と露を人質にとって、元区長の牟田の釈放を要求してくる。
やむなく牟田を開放する黒岩達だったが、増長した牟田は再度リヴィジョンズ側と交渉をすると主張しだす。

剴やマリマリと共に人質救出作戦を練る黒岩。
だが、大介は慶作を失った痛手から立ち直れず、未だ自分を見失ったままだった。

そんな大介を置いて、単身で牟田のもとへ乗り込み、通信機を通じて露や泉海の監禁場所を黒岩たちに伝える剴。
無線越しに聞こえてくるのは、牟田の身勝手な主張、そして死んだ慶作への冒涜の言葉だった。

その牟田の卑劣な言葉に、大介の心には再び火が灯り――。

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「最善」などない状況でも、ベターではなくベストを目指して戦い、散っていった黒岩に、まずは敬礼。

……牟田も、権力さえ与えなければ「事なかれ主義の小物」だったろうに、まさか渋谷を実質支えていた黒岩を道連れにして死ぬとは……「無能な働き者」の面目躍如か。
最期までその最低振りを見せつけてくれた。

一方で、咄嗟にお互いをかばいあった黒岩と泉海の姿があまりにも哀しく……。
どちらも人間の本性であるだけに、よけいに辛い。

だが、少なくとも黒岩の死と言葉は、大介達の胸に確かに残ったことだろう。
かつてのミロが送った言葉よりも、それぞれの「今」ほしいであろう言葉を、今際の際に絞り出した黒岩は、真実立派な「大人」だったのだと思う。

しかし、現実は彼らに黒岩の言葉を噛みしめる時間さえ与えてくれない。
リヴィジョンズによって始まる無差別の人間狩り。
パペットを一体失い、電源も乏しく、黒岩という頼れるリーダーを失ってしまった渋谷に未来はあるのか？

たこわさ