ジョジョの奇妙な冒険黄金の風　Episodio 15「偉大なる死（ザ・グレイトフル・デッド）①」感想――護衛チームの反撃なるか？

今回の満足度：5点（5点満点中）
（以下ネタバレ）

あらすじ

「ザ・グレイトフル・デッド」による老化攻撃を免れたミスタは、暗殺チームを探し出すべく一人行動を開始する。
だが、老化を緩和しようとエアコンのスイッチに手を伸ばしたところで、待ち構えていたペッシのスタンドの攻撃を受けてしまう。

一転、窮地に陥ってしまったミスタだが、ピストルズとの連携により見事ペッシを見つけ出し、反撃に移る。
慌てふためくペッシであったが、彼の兄貴分プロシュートは、既に綿密に罠を張っており、ミスタは知らず知らずに彼の術中にはまってしまい――。

感想

攻守が目まぐるしく入れ替わる、息もつかせぬシーンの連続だった。

プロシュートは頭のネジが飛んでいるようで、案外知性派というか、我が身を痛めてでも冷静に勝利をもぎ取ろうという強い意志を感じる。
また、言葉は厳しいが、ペッシの能力を認め鼓舞するなど、なるほど、ペッシが「兄貴」と慕うのも分かる気がする。

――もっとも、列車の乗客全員を道連れにしてでも目的を果たそうという時点で、人間としては外道以外の何ものでもないのだが。

今回はミスタの活躍も目覚ましかったが、やはりブチャラティのかっこよさが光った。
戦闘でもそうだが、トリッシュへの気遣いの心が……かっこいい！

前回の感想でも書いたが、トリッシュは初登場時のイメージとは裏腹に、思いやりのある普通の少女であることは、ナランチャを開放しようと数少ない氷を分け与えている点からも伺える。
ブチャラティの口振りからすると、彼は既にトリッシュのそういった性格を見抜いていたようにも思える。

ブチャラティ最大の能力は、こういった人間の本質を見抜き適切な言葉を送ることが出来る点なのではないか、と思った。

さて、今回は展開の面白みや人物造形の深さという、ジョジョの魅力的な部分が多く詰め込まれたエピソードだったが、同じくらいにジョジョにつきものな「冷静に考えるとおかしくない？」という描写も多かった（苦笑

その象徴的なものが、ピストルズの扱いだろう。
「帽子の中に入っていた氷のおかげでNo.5が老化を免れた」と言っていたが、そもそもスタンドに「体温」があるのだろうか？（笑）

プロシュートの戦い方を見るに、「スタンドをザ・グレイトフル・デッドで掴むと本体も老化する」ことは確かなようだが、広範囲の老化攻撃の場合は、「本体を老化させて結果としてスタンドもパワーが落ちる」という設定も見えてくる。
氷を持っていたNo.5が老化を免れる……という描写自体が色々と矛盾しているように思える。

もちろん、好意的に見れば色々と理由を解釈できなくもないし、こういった大味な部分もジョジョの魅力なので、それで面白さが損なわれる訳ではないのだが（笑）。