たこわさ

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PSYCHO-PASS 第20話「正義の在処」感想

(以下ネタバレ)
日本の食料自給を支える穀倉地帯でバイオテロを起こそうと目論む槙島。彼の企みに気付き、後を追う狡噛。同じ頃、朱はドミネーターに導かれシビュラシステムの中枢へと足を踏み入れていた……。
シビュラが朱をシステムに取り込むのかと思いきや、システムに管理される側の代表として協力体制を申し出てくるとは少々予想外。しかも、ただのシステムではなく「かつて人間だったものの集合体」らしく感情を逆なでする方法や逆に理詰めで納得させる方法も心得ているとくれば、朱が精神的に追い込まれていくのも仕方ない所でしょうね。
ただ、今現在自分にシビュラを否定・破壊するだけの力がないと悟るや否や、半ば強引な交渉術によって彼等と自分の立場が対等である事を確認したり、現場の状況から狡噛の思考をトレースしたりと八面六臂の大活躍を繰り広げたりして、朱もやられっぱなしという訳じゃないようで。
今回、シビュラは朱の論理で感情を押さえ込む事が出来る能力の高さを評価して味方に引き入れたようですが、様々な人々との対話という形で描かれた彼女の心情描写を見るに、シビュラは朱の事を過小評価しすぎているんじゃないかとも思い。彼女は今のシステムとその中でしか生きられない人々の命について正しく認識していると同時に、かつて人間が持っていた「自由意志という不自由の中でこそ生まれる可能性」についても認識しているわけで。憎むべき対象であるはずの槙島の思考させトレース出来てしまうその恐るべき頭脳が、シビュラの想定を超えて働かないとは言い切れないでしょうね。