たこわさ

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ヨルムンガンド PERFECT ORDER 第24話「恥の世紀」感想

前期は視聴済み。原作はほぼノータッチ。
(以下ネタバレ)
ヨナがココ達の元へ戻って一見ハッピーエンドのようにも見えてしまうんだけれども、結局ヨナのように一回武器とかかわってしまった人間はその呪縛からは逃れらないというキャスパーの言葉を証明してしまっただけのバッドエンドなんだよな、と私的には捉えてしまいました。ヨナがその呪縛から解き放たれるには、ヨルムンガンドの――ココの力を求めざるを得なかったというなんとも酷い皮肉的結末だな、と。
ヨナがココに初めて見せた笑顔は、ただ単に世界に絶望してしまったものが圧倒的な、神をも超える存在に対して無邪気に救いを求める姿にしか見えず、なんとも後味が悪い。
多分、そう思うのは私が「平和な国」で生まれ育っただけの人間だからなんでしょうが。
作中世界では確実に第三次世界大戦の幕が切って落とされようとしており、ヨナがキャスパーの元に居た二年間の間で既にココが試算した「ヨルムンガンド発動による尊い犠牲」の数を上回っていた、という描写がなされているので捉えようによってはココの理想こそが世界を正す至上の解であるようにも思えてくる訳ですが、同時にヨナが救った子供達が平和の中で暮らす姿や半ば隠遁状態にある日野木一家の姿のようにかろうじて平和の中にいるものたちさえも再び混沌の只中へ放り出すのがヨルムンガンドなわけで。
また、奇しくもキャスパーがココに語ってみせたように、人間はたとえ空を封じられようが次は海で、海を封じられようが陸で、銃を封じられようが剣で、剣を封じられたとしても棍棒でも戦えてしまう――そしてそれらを扱う武器商人は不滅――な訳で、結局はココの甘っちょろい理想は無辜の人々を「尊い犠牲」にした上で残った人々にも更なる混沌を押し付ける魔王の所業にしか思えない訳で。
なんだかなぁ、ピカレスクロマンはピカレスクロマンらしく、理想成就なんて奇麗事で終わるのではなくもう少し痛快で「こいつ等悪党だな!www」と笑い飛ばしてしまう位スッキリした終焉をみたかったなぁ、と。