たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

輪るピングドラム 23「運命の至る場所」感想

(以下ネタバレ)
まさしくクライマックス。また色々と明かされました。
ペンギン帽子=桃果説は半分当たり――というか文字通り半分ずつに分けられてしまった桃果だった、という事が確定。また、死亡したとされていたサネトシは、桃果の手によって「半分だけ」この世から消された、と。つまり、肉体はもう存在しないけれども「呪い」として「結果的に」世界に影響を及ぼす存在となった、ということか。
陽毬は死亡ではなく危篤状態に。もう、無気力に全てを受け入れようとしている晶馬の姿が悲しいですな……。そしてそんな彼を無言で支える苹果ちゃんが既に嫁レベル。
一方、前回冠葉を庇って銃撃に身を晒した真砂子は死の淵に。彼女の臨終を目撃した瞬間の冠葉の表情が、二人の本当の関係を物語っていますね……。
そして死んだ筈の真砂子を蘇らせ、「この力で陽毬も救える」と冠葉に囁くサネトシ。確かに、一見するとサネトシの「魔法」は死者をも蘇らせる事が出来るように見えますが、真砂子はそれを否定します

世界も、運命も、フーディーニの魔法で変える事なんて出来ないわ

フーディーニとは奇術師の名前だったかと思いますが、つまりサネトシの見せる「魔法」は全てタネも仕掛けもある、ということでしょうか? 例えば真砂子を蘇らせた件については、元々真砂子はあそこで死ぬ運命ではなかったのを、演出によってあたかも「死んだ後蘇った」ように見せた、ということか。
冠葉がサネトシの甘言に身を任せた一方、夢の中――が、恐らくは実際の彼女の言葉――で晶馬に自らの思いを告げる陽毬。

私は見つけてもらえる子供になれたんだ
(中略)
冠ちゃんと晶ちゃんがきっと私を見つけてくれる

これは、前回の多蕗とゆりの会話にも通じる言葉ですね。「予め失われた子供」は「誰かに愛され必要とされる事」で救われる、という。そういった意味で、陽毬は前回自身が語っていたように「既に救われている」わけで。

今度は晶ちゃんが冠ちゃんを見つけてあげて

思えば、陽毬と晶馬、陽毬と冠葉の関係性は語られましたが、晶馬と冠葉の関係はまだ語られていなかったんですよね。彼らがただの「演じられた兄弟」だったとはとても思えないので、そこが最終回のキモになりそうな。

さて、前回苹果の手に半分だけ戻った「日記」。真砂子の元からもう半分を奪ったサネトシ=冠葉がそれを放置しておくはずもなく、早速苹果を罠に……。
燃えゆく日記を身を挺して守ろうとする苹果の姿が何この正ヒロイン! という感じですが、そもそも彼女が1クール目に散々変態行為を働いていたのは「バラバラになった家族を元に戻す為」の自己犠牲だったわけで、実は彼女の行動原理は全く変わって無いんですよね。
晶馬にしても、身を挺して他人を救うタイプの人間である事が明示されていますし、苹果と晶馬は「同類」として描かれてきたんだな、と今更ながら。

そしてその晶馬が遂に動き出す。ペンギン帽子=桃果に導かれ、「運命の列車」へと。ここに来て再び飛び出した「ピングドラム」という単語。これが何を意味するのか……。

その他

  • しかし冠葉の晶馬への抱擁がガチだったw
  • 着替えを取りに戻るって苹果ちゃんどこまでも嫁w
  • 本編にギャグが無い分鷹の爪のCMが癒しでした。