たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

輪るピングドラム 22「美しい棺」感想

(以下ネタバレ)
ダブルHの二人が今も陽毬の事を大切な友人だと思っている、という事に目から汗が……。
さて、いつぞやの苹果の時と同じく、またもや晶馬の判断ミスで今度は陽毬が自らを追い込む道へと歩みを進めてしまいました。
冠葉を止めようとその傍に寄り添う事を選び、そして「(満たされたから)自分はもう死んでも構わない」と告げた陽毬。陽毬のことを一番大切だと考える冠葉ならば、彼女の気持ちも大切にして良さそうなものですが……冠葉は歩みを止めません。
真砂子も「冠葉、あなたはもう――」と言っていましたが、恐らく冠葉は既に呪い――恐らくは人の執念の残滓――に侵され、目的の為だけに動く存在になりつつある、つまり冠葉自信が「呪い」の一部になろうとしているんでしょう。
思えば、サネトシと最も深く関わっているのは冠葉だったわけで。それに加えて高倉父母の「幽霊」との対話も、彼の心が「呪い」に蝕まれている事を表した出来事だったのでしょう。
一方で、彼が真砂子に冷たく当たっていた理由がようやく明かされました。
幼少の頃、父、ひいては危険な組織から真砂子とマリオを遠ざける為に、自らを人身御供とした冠葉……。恐らく、冠葉は知っていたのでしょう、「お前は大切な妹だ」と口にすれば、真砂子が自分の為に全てを捧げるであろう事を。だから、あえて突き放した。「呪い」に巻き込まない為に。
彼女を守る為に演じ続けてきた冷たい態度。それが最後の最後、銃撃から真砂子を庇った事で彼女にその想いが伝わってしまい、結果として真砂子が冠葉を助ける為に捨石になってしまったというのは、なんとも皮肉な――そしてこの作品らしい展開です。
前期OPの凛々しい真砂子の立ち姿が、まさかこんな悲しい場面のものだったとは……。
そして、最近忘れられがちな「日記」の行方。前回、謎の襲撃者に襲われたゆりと多蕗。彼らを襲ったのは、なんとも意外な相手……。
本筋と関係ない、ただの痴情のもつれだったという事実は、もう彼らが一連の出来事とかかわる事は無い、という暗示なのでしょうか? それを裏付けるように、日記の半分はゆりから苹果の手に戻りました。願わくば、二人の未来に祝福を……。
真砂子の安否は?
陽毬の生死は?
日記のもう半分の行方は?
そして晶馬に隠された更なる真実とは?
恐らく、この作品の性質上全てが白日の下にさらされることは無いと思いますが、いよいよ風呂敷を畳む準備が整ったようです。

ノルニル・少年よ我に帰れ

ノルニル・少年よ我に帰れ

ここのところの展開の熱さに、購入を我慢していた主題歌CD思わずゲッツ!