ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第11話「魔剣戦士ヒュンケル」感想――圧倒的なヒュンケルの強さ
今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下、ネタバレ含む)
あらすじ
「アバンの最初の弟子」であるはずのヒュンケルは、魔王軍の軍団長だった。
しかもその剣の腕前はダイを遥かに凌駕しており、アバンによる修業を終えていないダイはなす術もなく翻弄される。
ポップとマァムも戦いに加勢するが、あらゆる呪文を弾く「鎧の魔剣」を身に付けたヒュンケルには歯が立たない。
マァムはアバンが間違った人間に「アバンのしるし」を渡すはずがないと考え、ヒュンケルを説得しようと試みるが、聞く耳を持ってもらえない。
それもそのはず。ヒュンケルは旧魔王軍における最強の剣士バルトスに育てられた人間だった。アンデッドモンスターであったバルトスは、アバンが魔王を倒したことで命を落としてのだ――。
感想
とあるジャンプ作品で、登場人物がやたらと自分の不幸な過去を自慢するような展開が多く、ゲンナリさせられた記憶がある。「戦闘中に不幸自慢とは……?」と。
一方、本作でも今回のヒュンケルのように戦闘中に長話を始めるパターンがいくつか見受けられるが、そのいずれも「対話を試みようとする相手を拒絶する為の長話」なので、きちんと必要性が感じられた。
どうにも、後年のマンガは「敵キャラの深掘りは戦闘中に不幸な過去でも語らせておけばよい」みたいな勘違いをしてるものが多いように感じられる。
閑話休題。
さて、今回は作画カロリーの節約も見受けられ、逆に言えば次回以降への期待感が膨らむエピソードだった。
無理に動かそうとしないで、良い意味での手抜きが沢山見受けられると逆に安心できる。
ヒュンケルの「鎧化」エフェクトはもっと頑張ってほしかった……というか、往年のヒーローものの変身シーンオマージュくらいの外連味溢れる演出を期待していたので、肩透かしを食らった(苦笑)。
ああいった作画を出来る人材も、最近はとみに減っているのかもしれない。
アバンがヒュンケルを返り討ちにしてしまったシーンで、慌てて激流へ飛び込むアニメオリジナルシーンもグッド。
原作では、ほんの少しだけアバンが薄情に見えてしまっていたので、良い改変だった。
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- 作者:稲田 浩司
- 発売日: 2020/12/04
- メディア: コミック