Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-　Episode 4「密林の呼び声」感想――恐怖のシリアスブレイカー登場！

今回の満足度：5点（5点満点中）
（以下ネタバレ。原作バレは配慮してます）

あらすじ

ウルクで民達と共に生活を送りながら、シドゥリから斡旋された仕事をこなしていく藤丸とマシュ。
それは、カルデア以外の生活を知らないマシュにとって、初めての「日常生活」であった。

やがて、二人の働きが認められたのか、ギルガメッシュ王自ら、藤丸達にとある命を下す。
それは、連絡の取れぬウルの街の偵察任務であった。

マーリンとアナと共にウルの街へ向かう二人。
途中、熱帯のジャングルとして思えない密林に迷い込んだ一行は、着ぐるみのような服に身を包んだ奇妙な女の襲撃を受けるが――。

Episode 0 「Initium Iter」

発売日: 2019/08/12
メディア: Prime Video
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感想

ジャガーマンが登場。
……犠牲を良しとするか否か、という作品全体を貫くテーマを問うエピソードだったにも拘らず、終始シリアスブレイカーとしてジャガーマンが大活躍し、「いい加減にしとけよジャガ村」と何度も思ってしまった（苦笑）。

ただし、劇中で描かれた通り、ふざけた姿だがその強さは本物。
ジャガーマンとは、中南米でよくみられるジャガーを擬人化したモチーフのことだが、本作の場合はそのルーツの一つであるテスカトリポカの影響が強いのか、強大な神性持ちとして描かれた。
色々な意味で困った存在だ。

さて、今回登場したウルの街では、生贄を差し出す事で都市全体が生き残りを図っていた。
もちろん、あの状態が続けば早晩ウルは壊滅するわけで、根本的解決にならない、その場しのぎでしかないのだが……力無き人々には、抵抗する方法すらない。

そして、本来なら藤丸も、ウルの人達と同じく「力無き人」であった。
たまたま「人類最後のマスター」として、サーヴァントを使役する力を行使することになったものの、彼の心根はあくまでも一般人。
……だからこそ、彼はただただひたむきに人理を守る為に戦うのだろう。たとえ「たまたま」だったとしても、彼には振るえる力が与えられている。その責任を果たす為に。

けれども、力を持った人間として責任を果たす、ということは、無意味な特攻は許されないという事でもある。
ウルの人々を一時的に見捨てることになるが、あそこで藤丸達が全滅すれば、最早彼らを救える可能性を持った存在はいなくなってしまう。だからこその撤退、苦渋の決断だ。

何より……彼の中には未だに、オルガマリー所長を救えなかった悔恨が渦巻いている。
※詳細は原作ゲームか、アニメ「First Order」を参照のこと。

藤丸にとっては決して消えない傷となってしまったオルガマリー所長の犠牲は、時に彼に不合理な選択をさせてしまう時もある。
けれども、今回それをさせなかったのは、アバンタイトルで描かれた「第四特異点」での苦い敗北が強く影響しているのだろう。

チラッと出た白髪の男こそが、人理焼却を目論む「魔術王」その人。
詳細は省くが、第四特異点にて、藤丸達は圧倒的な敗北を喫している。本来ならばそこで終わっていただろうが、魔術王の気まぐれにも近い温情により、生きながらえている状態だ。
だからこそ――圧倒的絶望を体験した後だからこそ、藤丸は今回は間違えなかったのだろう。