フルーツバスケット 第22話「だって嬉しかったのよ」感想――飄々とした花島の壮絶な過去
今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
「電波」を自在に操り、透を害する存在には容赦しない花島。けれども、幼少期の彼女はその力をまったくコントロールできていなかった。
勝手に聞こえてくる「周囲の人々の心の声」は、幼い花島を苦しめ、無口な子供にしてしまっていた。
そして、その無口さが原因で男子のいじめの対象になってしまうのだが……あまりにも酷い暴力と暴言を前に、幼い花島は男子たちに強い殺意を向けてしまう。
その殺意が原因だったのか、いじめっ子の一人が意識を失ってしまい――。
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感想
通常、「不思議な力を持っている風」のキャラというのは、その実際の所が濁されるケースが多いが……花島の場合はご覧の通り、ガチで「能力」を持っていることが明示された。
――まあ、そもそも十二支の呪いが主軸の物語なので、そういった能力があっても不思議ではないのだが。
本作の他のキャラクターの例にもれず、花島の過去も壮絶極まる。
小中学生のいじめというのはピンからキリまであると思うが……彼女が受けたそれは、最悪に近い部類に入るものだった。
親が引っ越しを決意した件を見るに、恐らくは教師や他の保護者からも、相当な嫌がらせを受けていたのではないかと思う。
こんなつらい過去を持っていながら、今の花島は基本的には「いい子」である。
理由なく他人を傷つける事をしないし、実は何かと(透以外に対しても)面倒見が良い。
いくら家族の愛に恵まれ、透と魚谷という最高の親友と巡り会えたとは言え、普通はもう少し排他的な正確になってもいいものだが……彼女はそうではない。
それは、彼女の本質がとびきり善良であるからなのだと思う。
異論はあるかも知れないが、私的には花島咲こそが、本作一番の「いい女」なのではないかと思っている(笑)。