たこわさ

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フルーツバスケット 第21話「売られた電波は買わなくちゃ」感想――プリユキvs花島(勝負にならない)

フルーツバスケット 1st season Vol.4 *BD [Blu-ray]


今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

由希のファンクラブである「プリンセス・ユキ」の面々は、由希と親しくしている透のことを、一方的に敵視していた。
しかし、透の傍らには常に魚谷と花島という凶悪な二人がいて、透にちょっかいをかけようものならば何倍にもなって返ってきてしまう。

そこで、プリユキの面々は、せめて花島の弱点を掴んで対抗しようと思い立ち、「学校新聞の取材」と偽り彼女の家を訪れるのだが――。

感想

プリユキの面々は、本来はそれぞれ「普通の少女」達だ。
しかし、そんな普通の少女たちが、自分たちの嫉妬心や一方的な憧れから、他人を貶め、攻撃することを正当化してしまう。
これは実は、いじめに多く見られる構造の一つだ。

学校生活においては、何故か子供たちの間でだけ通用するローカルルールが、社会的な道徳よりも上位に来てしまうことが多い。
そしてそのルールから逸脱した人間は、「悪」として容赦なく断罪される。
傍から見れば、断罪している側の人間たちは酷く残酷で悪辣で、邪悪に映るものだが……当人たちは「自分たちが正しい」と言ってはばからない。

プリユキの面々には、そういったリアルないじめ構造が見え隠れしてしまうので、どれだけコメディタッチに描かれても、私はいつも後味の悪い、嫌な思いが残ってしまう。
それはきっと、私自身が幼い頃に「子供の論理」に傷付けられた側の人間であることが大きく寄与しているのだろう。
現実には、花島のように電波で痛快に「お仕置き」してくれる存在はいなかったわけで……。

そしてもちろん、一部の描写が好きじゃないという理由で、作品全体を嫌いになる訳ではないのだが。