たこわさ

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フルーツバスケット 第1話「行ってきます」感想

愛蔵版 フルーツバスケット 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)


今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

女子高生・本田透は、故あってテント生活を始めていた。
その事を周囲に隠しつつ普通の学生生活を送ろうとする透は、ある日の登校途中に、偶然に近い形でクラスメイトの草摩由希の家に迷い込み、彼と彼の従兄弟である紫呉と仲良くなる。

「王子様」として、学校で絶大な人気を誇る由希。そんな彼と一緒に登校したものだから、透は由希のファンクラブから吊るし上げられそうになってしまう。
けれどもそこを、元ヤンキーの魚谷ありさと「電波」を操る花島咲という親友二人に助けてもらい、難を逃れる。

そんな、透の事を心底心配してくれる二人の親友にも、テント生活の事は秘密だった。
母子家庭で育った透は、母を事故で亡くしたばかりだった。しかも、引き取ってくれた祖父の家は建て替え中。「友達の家で厄介になるから大丈夫」と祖父に語った透だったが、親友にすらも遠慮し、辿り着いたのがテントでの生活だった。

母親の死、学校、バイト、慣れないテント生活……すっかり疲れ果てテントに戻った透だったが、その姿を由希と紫呉に見られてしまう。
実は、彼女がテントを張っていた場所も草摩の土地だったのだ。

「お金も払いますから場所を使わせてください」と頭を下げる透。
けれども、由希と紫呉は実に意外な事を申し出てきて――。

感想

原作既読。旧アニメも視聴済み……というか、「フルーツバスケット」私の人生のベスト漫画に入る作品の一つ。

あらすじについては、そこそこ古い漫画なので元ネタを知らない方も多いと考え、第一話の衝撃の展開(?)に配慮し、核心部分はあえて書かなかった事を申し添えておきたい。

さて、本作はかなり以前に原作が完結していて、更には二十年近く前にアニメ化もされている作品だ。
旧アニメは、原作の連載が半ばだったこともあり、基本は原作設定を踏襲しながらも、終盤の展開及び結末がオリジナルのものになっていた。
アニメ自体の評価はすこぶる高かったが、そのオリジナル部分については評価が分かれていた覚えがある。

そこに来ての再アニメ化。今回は原作もとうの昔に完結しているので、万事原作準拠で進む模様。
その分、従来のファンからは辛口視線で観られそうだが……私的には「第一話のつかみはOK」だった。

キャラクターデザインに少々違和感を覚えたものの、動いていると気にならないレベル。
要所要所に原作へのリスペクトと、旧アニメへのオマージュが散見されるなど、非常に気を使った構成になっていた。

旧作では久川綾さんが演じていた由希が、島崎信長ことノッブが演じている点も興味を惹かれた。
最初は「やはり由希くんの声が男だと違和感あるな」という印象だったが、次第にそれにも慣れてきて、話が進むに連れて「ああ、今回の由希くんは王子様要素を強調しているのだな」と感じるようになった。
どちらかと言えば、原作終盤の由希のイメージを元にしているのかも知れない。

さて、上記の通り旧来のファンとしても不満のない第一話だったが……それでもあえて言ってしまうと、どこかで故・岡崎律子さんの歌を入れてほしかった、と思う。
岡崎さんの歌は、アニメ主題歌という枠を超えて原作ファンの中にも息づいている。
その想いを……どこかで汲んでもらいたい、と切に願う。

For フルーツバスケット

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セレナーデ

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  • 岡崎律子
  • アニメ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes


もっとも、原作者さんは旧作のスタッフ・キャストを非常に大切に思っているようで、新アニメに当たっては旧作の雰囲気を持ち込まないよう要望されている為、岡崎さんの楽曲も使用されない公算が高いのだろうが……*1

原作は愛蔵版が発売中。旧アニメはBlu-ray BOX・配信など有り

フルーツバスケット Blu-ray BOX(初回限定版)

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愛蔵版 フルーツバスケット 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

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*1:原作・総監修|高屋奈月先生コメント | SPECIAL | TVアニメ「フルーツバスケット」公式サイト https://fruba.jp/special/comment.php