たこわさ

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どろろ 第二十三話「鬼神の巻」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

アヤカシと化したミドロ号と共に荒ぶる百鬼丸。
それを迎え撃つは、鬼神から力を授かった、多宝丸・陸奥・兵庫の三人。

人を超えた者たちに恐ろしい戦いぶりに、駆けつけたどろろと縫は圧倒される。

ミドロ号は陸奥と兵庫を圧倒するが、その場に子馬がやってきてしまい、それに気を取られた一瞬の隙を突かれて、深手を負ってしまう。
陸奥と兵庫も致命傷を負い、三者は共倒れのように力尽きる。

兄弟のように育った二人の死に、嘆く多宝丸。
一方、百鬼丸のもとには両腕が戻ってきて――。

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感想

陸奥と兵庫があっさり死んでしまって、呆気にとられてしまった。
……もっとも、鬼神に身を委ねたその瞬間から、あの二人は既に死んでいたのかもしれないが。
多宝丸も、もはやまともな人間としての生を送れるかどうか怪しく……。

力を求めすぎれば鬼神に、心を大事にし過ぎれば神仏に。どちらも行き過ぎれば、人ではいられない。
琵琶丸や縫の語った、「狭間を彷徨うからこそ人」という言葉は、実に的を射ている。
その論理からすれば、鬼神に縋り我が子を生贄にした醍醐景光は既に人間ではないし、兄を鬼神として討ち果たそうとする多宝丸もそうであろう。

「他力本願」という言葉がある。これは、衆生は阿弥陀如来の願い(本願)よって救われる事を意味する、ありがたい言葉だ。人間が人間のままで成仏するには、仏の力に頼るしか無い、とも言いかえられる。
しかし、醍醐景光や多宝丸が縋ったのは、鬼神。縋り祈る相手を間違えた時点で、もはや救いはなかったのかもしれない。すなわち、現代における間違った意味で伝わる「他力本願」そのものだろう。

どうやらどろろには、力を備えたまま人の心を失わぬ道が、おぼろげながらも見えたようだが……今まさに死闘を演じている百鬼丸に、その真心は届くのか?
人の身で鬼神に届こうとしている百鬼丸に、心は残っているのか?

救いのある結末であって欲しい。