たこわさ

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怒涛の最終巻! 「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿10 case.冠位決議(下)」感想

ロード・エルメロイII世の事件簿10 case.冠位決議(下)【書籍】

ついに最終巻です。
一言で言うと……最高でした。

単発でも良いので、シリーズを続けて欲しいと思うくらいに。

(以下ネタバレ)
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ロード・エルメロイII世の事件簿 10 「case.冠位決議(下)」 (TYPE-MOON BOOKS)

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時計塔の地下に広がる超絶ダンジョン「霊墓アルビオン」へ突入したエルメロイⅡ世と、君主達の集まる「冠位決議」に単身挑む事になったライネス。2つの視点で進む最終巻でしたが……いやいや、最高でした(大事なことなので二度

往年の探索型ダンジョンRPGを彷彿とさせるアルビオンの光景もワクワクしましたし、冠位決議のタヌキとキツネの化かし合いも見物でした。
が、それよりも何よりも……最後に「かの王」と邂逅したエルメロイⅡ世……いや、ウェイバーの言葉の一つ一つが……「こんなん、読んでるこっちが泣くわ!」という感じでしてね、ええ。

「臣下」として傅くだけならば、ウェイバーは神霊として降臨したイスカンダルを祝福するのみだったのでしょうが……彼にとってイスカンダルは、主君であり……何より友達だったわけです。
「向こうから降りてきた」のでは、かの王に追いついた事にはならない。だから、凡才だろうが無理筋だろうが、万難を排して自分は必ず「そこ」に追いついてみせると、強く宣言してみせた。

だから、きっとその後に起こった「奇跡」と、グレイが聞いたかの王の言葉は、本物だったのだろうな、と。
この辺り、本作では曖昧なままですが……FGOの設定によれば、英霊の座にサーヴァントとしての体験がフィードバックされる例はある(ただし、あくまでも記憶ではなく記録として)という事ですし、それこそ神霊としての権能で、この世界でのイスカンダルの記録を読み取った可能性だってある。

そのはっきりとした答えは、それこそウェイバーが「座」へ辿り着いた時にしか分からないことなのかもしれませんが。


途中で、「Fate/stay night」と時系列を合わせてきた演出にも痺れました。
ここに来てグレイのあの設定が再び生きてくるとは……。設定としてはテレビアニメ版UBWに近い「事件簿」世界ですから、もしかするとUBW最終話でロードが士郎に接触したのって、彼が聖杯戦争を勝ち抜いたお蔭でグレイの容態も安定して、その御礼の気持ちもあったんじゃ……とか色々と妄想が捗りましたw


また、私的に大好きな(しかしFGOでは引けなかった)ライネスの成長振りも嬉しかったですね。
何だかんだいって、結構義兄に依存してる部分も多かったライネスが、次期当主として名実ともにふさわしい決断力と胆力を見せつけてくれました。
でも、義兄への依存については卒業というよりは「次のステップ」に進んだ感があります。今までみたいなイジり倒しや人質取っての束縛ではなく、彼自身を生涯手放さないで自分のもとに置く、くらいの気概が生まれたよう感じましたw

どうなる、ウェイバーくんの未来! 別にライネスに婿入りしても構わんのだぞ?


ドクター・ハートレスの抱えていた秘密も……「あ、これきのこ節だ」と思ってしまいました。
三田先生が奈須ワールドをよく理解している証拠ですね。ああいう残酷極まりない設定を思い付く外道菌糸類の思考をよくトレースしたというか。
フェイカーと彼との関係は、もう少し掘り下げてほしかったかも……。


兎にも角にも、これで一応シリーズは終了。
あとがきで「マテリアル」の発売も示唆されてますし、TVアニメも夏には始まるのですが……それでも寂しい! の一言。
是非、ぼちぼちとでもいいので、本作がまだまだ続くことを願ってやみません。次は遠坂&士郎を巻き込んでも構わんのだぞ?w

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