たこわさ

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どろろ 第十八話「無常岬の巻」感想――人間であり続けたイタチ

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

鬼神へと変貌し、どろろに襲いかかる二郎丸。
もはやこれまでと思われたその時、百鬼丸が駆けつけどろろを救う。
百鬼丸は苦戦しながらも二郎丸を倒し、片足を取り戻すことに成功する。

一方、隠し財宝を求めてさまようイタチ一行は、火袋が仕掛けたらしい火薬の罠に苦戦していた。
しかし、彼らに襲いかかったのは罠だけではなかった。

多宝丸率いる醍醐の国の兵たちが、百鬼丸とどろろ、そしてイタチ達に無情にも襲いかかり――。

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感想

どろろが最後まで、イタチを仇ではなく元仲間として扱っていたのが印象的だった。
イタチもイタチで、どろろの身を常に案じていた節が窺え、なんとも人間臭い人物だったのだな、と思い知る。

一方で、多宝丸たち醍醐の国の人間やしらぬいは、それぞれ別の方向で「人間らしさ」から逸脱し始めているように見受けられる。

「国と民のため」というお題目を掲げる多宝丸の姿は、指導者としては正しいのかもしれないが……人としてやってはならない、「人殺しを正当化する」という行為を率先してやってしまっている。
その姿勢が何をもたらすのかは、鯖目の例を見れば明らかだろう。
小を切り捨て大を生かすのは、あくまでも「苦肉の策であり」正義などではない。

そしてしらぬいのように、弱い人間であることを認められない姿もまた、人としての在り方からは程遠いだろう。

最後まで欲望に忠実だったイタチの方が、彼らよりもよっぽど「人間」だったというのは、なんとも皮肉だ。