たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

ルパン三世 第6話「満月が過ぎるまで」感想

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

メディア王だった夫から莫大な隠し財産を受け継いだと噂される未亡人エレナ。ルパンもその隠し財産の噂を聞きつけ予告状を送った上で彼女を襲撃するが、駆け付けた銭形警部によってすんでのところで阻止される。「次の満月の夜までに」とルパンが予告していることから、しばらくの間安全な場所に身を隠すよう銭形に提案されたエレナは、彼と共に亡き夫と自分しか知らないという山中の隠し別荘へと向かう。
しかし、それは既にルパンの罠の一環だった。銭形が接するエレナは不二子の変装であり、銭形を本物のエレナから引き離す事が目的だったのだ――。

感想

あんな立派で必要物資も整っている別荘を「夫と私の二人しか知らない」と言われてもねぇ、などと呆れかえっていたが、あのエレナは不二子の変装だった訳だから、実はあの別荘も「ちょっと秘密めいたそれ」程度なのだろう、と無理矢理自分を納得させた……が、ルパン達がヘリで山中に墜落したのに何のフォローもなく無傷でイタリアへ舞い戻っている描写に再び脱力。
例えば「墜落直後、無事に脱出したルパン達とヘリの残骸に埋もれてそれを見送るしかない銭形→『あばよ〜、とっつぁ〜ん』」みたいなシーンがあれば締まりが良いのだが……。それとも、本来はもう少し丁寧な描写があったが編集段階でカットされてしまったのだろうか? ここまでの数話における「雑」さをみるに、それはなさそうだが。
自分を騙していたエレナを庇って銭形がルパン達と対峙するシーンについても少々違和感が付きまとう。ルパン達のあの態度だと、銭形が退かなければ次元に射殺されるもやむなし、といった雰囲気を感じ「今回のルパンって、今までのアニメのどのルパンとも一致しないような?」と疑問符が浮かんだ。いぶし銀な銭形に関しては原作や一部劇場版のイメージに近いのでそこまで違和感を覚えないが……。
他にも、あの大量の金塊を持ち出す準備がルパンに見受けられない点や、隠し財産の件を否定したままエレナが政界進出した件(流石に司直をなめすぎ)など「雑」な点が多々見受けられる。
こういった「雑」さは、本来的なルパン三世の世界観の中ではある種の外連味、雑味、「なんでさ!www」とツッコミを入れるべき楽しむ要素だったはずだが、今回のアニメシリーズは一体どの時点でのルパン三世の再現を目指しているのか、一線を画すのならばその線引きはどこらへんにあるのか、などが不明瞭――つまりは作品としての「腰」の部分があまり感じられないので、ただ単に稚拙な脚本程度にしか感じないレベルになっているように見受けられる。その点、第一話では「バカバカしさ」を前面に押し出してくれていたので、雑ささえも楽しめていたのだが……。