たこわさ

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乱歩奇譚 Game of Laplace 第七話「パノラマ島綺譚(前編)」感想

今回の満足度:3点(5点満点)
(以下ネタバレ)

あらすじ

新たな「二十面相」による殺人事件が立て続けに起こる中、アケチはその全ての事件を自らの手で解決していた。アケチの二十面相への拘りに興味を覚えるコバヤシ少年だったが、アケチは何も語らない。
そんな中、ナカムラが警視庁に届けられた「挑戦状」を携えてアケチのもとへやってきた。「完全犯罪」を謳うその挑戦状、その「犯行現場」として指定されていたのは、とある企業家が壮大なテーマパークを建設中のパノラマ島で――。

感想

心神耗弱や心神喪失をいい加減かつ悪質過ぎる演出装置として使っていた前科がある本作、また「ブラック企業」という非常に使いやすいキャッチ―な現代語を使用してきて少々ゲンナリするも、言っているのが黒蜥蜴だからか今回は素直にブラックジョークとして捉えられた。

アケチの頭の中で様々な人物がシミュレートされ、彼らによって思考が行われるという設定は、フィクションによくある「並行思考」の類型だろうか。その手の設定としては、自らの中に複数の疑似人格を創り出し、それぞれに違ったアプローチからの思考を委任し最終的に合議制のような形で主人格に答えを受け渡す、等というものがあるが、アケチのはそれに近いのかもしれない。
コバヤシ少年が一部の人間をシルエットとして認識しているように、アケチは木製の人形として認識している、という点は興味深い。コバヤシ少年がアケチと同類という事の示唆か、それとも。