絶園のテンペスト 第十八幕「舞姫」感想

原作知識は連載を流し読みしてる程度でうろ覚え。
（以下ネタバレ）
遂に吉野の「彼女」が愛花だった事が判明し、それぞれが複雑な心境となる中、葉風は吉野の「覆い隠された感情」を追求し……。
今まで鉄のカーテンの向こう側に隠れていた吉野の「愛かを失った悲しみ」という感情が葉風の言動によって表出する一連の流れが実にカタルシス。この関節の外れた世界の中で吉野が冷徹に動けていたのも、そういった愛花を失った事への悲しみを全て行動力に向けていたからこそ。
その吉野の行動によって救われ、そして彼の事を好きになった葉風だからこそ、吉野が人間性を凍らせてまで愛花を失った悲しみから逃げ続けている事が許せなかったのでしょう。それはあまりにも理不尽で悲しい事だ、と。
そうして、葉風は「はじまりの樹」と対決する道を選んだ訳ですが、その彼女の決意や吉野の悲しみが「はじまりの樹」や「絶園の樹」によって理をゆがめられた結果ではない事を願うばかり。

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そういえば、原作版をちゃんと読み始めたのってこの辺りの葉風さんが凛々しすぎて気に入っちゃったからだったなぁ。