今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ。原作バレやや配慮中)
あらすじ
ケツァルコアトルの全てを賭けた一撃も、ティアマトをわずかに足止めするのみだった。
藤丸とマシュの魔力も尽き、もはやこれまで……と思ったその時、彼らの前に消滅したはずのゴルゴーンが現れ、ティアマトを押し留める。
ゴルゴーンは自らの宝具でティアマトを傷付けることに成功するが、それでもまだ足止めには足らなかった。
ゴルゴーンに救われた藤丸とマシュは、ギルガメッシュ王のもとへと舞い戻っていた。
最早ウルクには戦える者はギルガメッシュ王一人。それでも王は、自らの限界を超えてウルク中のディンギル(砲台)を操り、ティアマトを迎え撃つ。
だがその時、ティアマトの狙撃が藤丸を襲う。
避ける余力もない藤丸だったが、それを庇ったのはなんとギルガメッシュ王だった。
明らかな致命傷……それでもギルガメッシュ王は倒れない。
しかしティアマトだけでなく飛行型ラフムの群れも迫り、ウルクは風前の灯火であった。
もう打つ手はないと、イシュタルが冥界への穴を穿つ為に溜めておいた魔力を使おうとした、その時、ラフムの群れを無数の鎖が撃ち貫いた。
それは天の鎖……キングゥの鎖であった――。
感想
前回で十分クライマックスだったのに、それを更に更に超えてくれた。
まずは全スタッフ・キャストに惜しみない拍手を送りたい。
ゴルゴーンとして再出現したアナ。
ギルガメッシュの言葉により、「天の鎖」としての役割を全うしたキングゥ。
藤丸とギルガメッシュ王、それぞれの言動が、ほんの僅かながらもティアマトを圧倒し、押し留めた。
そしてそれを、藤丸によって仲間となったイシュタルとエレシュキガルの姉妹神が冥界へと捕らえる。
更には、マーリンまでもが「不干渉」という自己ルールを破ってアヴァロンから生身で駆け付けるという駄目押し付き。
まさに、藤丸の今までの旅路が勝機を少しずつ呼び寄せた結果と言える。
けれども、それでもティアマトは止まらない。
原初の神たる皮を脱ぎ捨てて、人類に打ち捨てられた恨みつらみの具現「ビーストII」となって、全てを呑み込もうとする。
マーリンでも抑えきれないビーストIIの勢いを前に、もはやこれまで……と思われた時に颯爽と現れたのは、マーリンやソロモン王と同じく「グランド」の称号を持つ英霊「山の翁・ハサン・サッバーハ」!
「アサシン」という言葉の語源となった、正真正銘のハサンその人。
何故彼が藤丸を助けに来てくれたのか分からない方は、今夏公開予定の映画「絶対神聖領域キャメロット」シリーズを観よう!(丸投げ)
――閑話休題。
簡単に説明してしまうと、この「バビロニア」の一つ前のストーリーで、藤丸はハサンにとても気に入られるようなことをやってのけたので、その恩返しとばかりにやってきてくれたわけだ。
恐らくは次回、少しだけ語られるだろうから、ここではその程度の説明にとどめておく。
その代わりに、原作の超かっこいい一枚絵を貼っておく。
さて、アニメだけ組の方は、山の翁の登場よりも、ギルガメッシュ王の最後のあがきにこそ、注目したのではないだろうか?
今までのFateシリーズで描かれてきた彼は、超然としていてとても他人に礼を言うような人間ではなかったし、誰かを庇う事などまずありえなかった。
それが、藤丸に対して笑顔で礼を言って見せた。嘲笑など欠片もない、心からの礼を。
旧来のシリーズだけでギルガメッシュを知っていた方は、誰しも感動を覚えたのではないだろうか?
英霊として召喚された傲岸不遜なギルガメッシュも彼の本質の一部なのだろうが、それら全てを乗り越えた人間臭さを持った理想の王。それこそが本当のギルガメッシュだったのか、と。
藤丸は彼の高潔な誇りを携えて、無事にティアマトを倒すことが出来るのか?
ラスト二話。最早息をつく暇もなくなりそうだ。
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