今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ含む)
あらすじ
「墓掘り」の模倣犯の現場を訪れた本堂町は、そこで「穴空き」の犠牲者と目されていた数田遥を目撃する。
つい声をかけた本堂町だったが、数田は本堂町に意外な行動をした後、逃げ出してしまう。
彼の不審すぎる行動から、本堂町は数田こそが真の「墓掘り」であると確信するが――。
ID:INVADED(1) #BRAKE-BROKEN (角川コミックス・エース)
- 作者:小玉 有起
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2020/01/10
- メディア: コミック
感想
キスされたことに動揺し恥じらう本堂町と、犯人を冷徹かつ大胆に追い詰める本堂町。
その二面性は、頭に穴があけられる前からのもののようだが……彼女もまた、謎の多い人物だ。
一方、数田のイドの世界で酒井戸が見聞きした様々な要素も非常に気になるところ。
数田と井波は、ただ単に恋愛と嗜好と行動原理の狂いが一致しただけの「共犯」ではなさそうだが……。
今回は本堂町が現実世界で先んじて犯人を追い詰めたが、その心理を本当の意味で暴くのは、酒井戸の仕事になりそうだ。
……一点、どうしても触れなくてはならないのが、今回数田が警察に仕掛けていた「罠」の存在だ。
「罠」の犠牲となった面々の悲痛な叫びと絶望的な表情を描き、または演じたスタッフとキャストの方々の内心を思うと……心が痛む。
恐らくは現実に起きたあの痛ましい事件を心に秘めながら制作に臨んだのではないだろうか?
色々と考えさせられてしまった。