逆転裁判~その「真実」、異議あり!~Season2 第21話「華麗なる逆転 5th Trial」感想
今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
遂に裁判が再開された。
ゴドー検事も復帰し、いよいよ決戦が始まるかに思われたが、突如としてあやめが証言を翻し、真宵が犯人であると主張し始めてしまう。
戸惑う成歩堂だったが、あやめの証言は矛盾だらけであり――。
- 詳細なあらすじについては、公式サイトの「ストーリー|逆転裁判 Season2」ページへ。
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感想
死してもなお、世を呪い続けるちなみの執念が心底恐ろしい。
そして、彼女に与するかのようなゴドーの立ちふるまいにも不審な点が……。
成歩堂は次々にちなみを論破し、「真実」に近づきつつあるが……察しのいい視聴者の方には、彼が見落としているある重大な事実が、既に見えているだろう。
成歩堂にコーヒーを浴びせたくだりの、ゴドーの心中を思うと……辛いものがある。
さて、前回も書いたが……原作ゲームには「霊媒なんて超常現象要素があるんじゃミステリとは呼べない」という批判もあった。
だが、ミステリ愛好家の一人として改めて言わせていただければ、「ルールが決まっていれば超常現象ですらもトリック足り得るのがミステリ」というジャンルだ。
ミステリで禁じ手なのは、あくまでも「何でもあり」である。
トリックをトリックたらしめるのは、「それ以外に方法がありえない」という消去法の論理だ。
「他にも可能性がある」では、物語が成り立たない。「何でもあり」では、犯人もトリックも、無限の可能性を残したまま物語がいつまで経っても終わらないのだ。*1
本作に於いては、霊媒にも一定のルールが有ることが明示されている。
あくまでもそのルールの中で推理が進められるからこそ、本作はミステリとして成立している訳だ。
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*1:それを逆手に取って、決して答えの出ないミステリというものも存在するにはするが、あくまでもそれは搦め手である。