どろろ 第一話「醍醐の巻」感想
今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
戦国の世。醍醐の国を治める醍醐景光は、飢饉などで荒れ果てた領地を復興すべく、十二体の鬼神へ祈りを捧げる。
鬼神は、その願いを叶える代償として、生まれたばかりの景光の長子から五体や眼、皮膚などを奪い去っていった。
最早原型を留めぬ赤子は、景光の命により処分されることとなった。
だが、赤子の「生きたい」という意志を感じ取った産婆は、景光には内密のまま赤子を舟に乗せ川に流し、運を天に任せることにする。
そして十六年後。
醍醐の国には、作り物の手足や顔を持つ青年の姿があった――。
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感想
手塚治虫先生の奇作「どろろ」。
過去にも何度か映像化・ゲーム化などがされ、数多くのアーティストによりスピンオフや「続編」と称されるものが制作されるなど、根強い人気を誇る作品が、平成も終わろうというこの時代にTVアニメとして新生した。
原作が打ち切り同然*1で完結している作品とは思えぬ根強さだ。
さて、今回は第一話ということもあり、よく動くしよく描かれていた印象。
どろろの声には流石に違和感を覚えたが……。
百鬼丸に至っては一言もしゃべらないという、中々斬新な演出(笑)。
おそらくは、喉(声帯)も鬼神に奪われた状態、という設定なのだろう。
キャラクター原案は漫画家の浅田弘幸氏。
アニメでの実際のデザインは、浅田氏と手塚先生のいいとこ取りをした上で、アニメ作画向けに簡略化された印象を受けた。
エンディングで浅田氏に寄せたイラストが拝めるのは眼福。
途中で描かれた「暗闇の中に炎のような赤い光が浮かんでいる」光景は、どうやら百鬼丸から見た世界のあり方のようだ。
あの状態で、どうやってどろろのことを認識し、更には義手を付けてもらう等という意思疎通が出来たのか……謎である(苦笑)。
今回、泥鬼を倒したことで、百鬼丸は顔を取り戻したようだが*2、眼や声で感情を表現できない状態が長く続くとも思えず(作画上)、次回は喉を取り戻す展開か。
景光は、原作では天下取りという我欲の為に魔神へ祈りを捧げていたが、本作では領地の平穏を願うなど、より領主としての矜持が強調されているように見受けられる。
単純な勧善懲悪に終わらないドラマが展開されそうだ。
原作よりも鬼神の数が減っている(原作では48体の魔神)ので、おそらくは一話一殺か、それ以上のペースで話が進むのだろう。
私的には原作にそこまで思い入れがあるわけではないので、肩の力を抜いて視聴したい。
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*1:原作漫画では、百鬼丸が体を取り戻す前に連載が終わってしまっている。
*2:念の為説明すると、百鬼丸は体を奪った鬼神を倒すごとに、対応する体の部位を取り戻すことが出来る。この設定へのオマージュとして後に作られたのが、ゲーム・漫画・小説で展開していた人気シリーズ「魍魎戦記MADARA」。