たこわさ

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Classroom☆Crisis 第九話「歓喜なき勝利」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

選挙戦を巡ってナギサと専務――その裏にいる社長、それぞれの思惑が交錯していた。社長より星民党の古林議員を当選させるようそのバックアップを命じられた専務だったが、星民党は野党第一党である大宇宙党の勢いに押されており、このままでは当選は困難だった。専務はナギサに全てを押し付け、なんともしても大宇宙党の村上候補を陥れ、古林議員を勝たせるよう命じる。
しかし、それを逆手に取ったナギサは思わぬ奇手を打ち、専務の裏をかこうと企んでいた。専務がA-TECの予算を横流しし星民党への献金に充てていた事実を掴んでいたナギサは、それを古林議員に突きつける。その上で、その事実を見過ごす代わりに大宇宙党へと鞍替えするよう求める。当然難色を示す古林議員だったが、ナギサは既に大宇宙党と霧科の労働組合に話を付けており、鞍替えすれば当選は確実、更に大宇宙党が政権を取った暁には今の大臣のポストを安堵するという餌をちらつかせ、結果として古林議員を籠絡した。
これで社長と専務が推す星民党は敗北し、彼らの権益を削ぐことが出来る――自らの復讐への足掛かりを確かなものにしたナギサだったが、その顔に喜びの表情は無かった。
A-TECの予算が横領された事を見逃す、それは彼が心を通わせつつあったA-TECの面々を裏切る事であり――。

感想

簡略化こそされていたものの、選挙というものはどれだけの後ろ盾――支持基盤を持つかで五割方勝負は決まってしまうものなので、今回の勢力争いはそれほどリアリティを欠いているようには見受けられませんでした。割を食った村上議員については、前回既にあまり優秀ではない事が示されていましたので、なおさら。気の毒ではありますが。

カイトのナギサへの言葉の数々は、A-TECの面々の代弁のようにも感じました。生徒達は表情こそ険しかったものの、ある程度ナギサの人格を知り、また彼の懐刀であるアンジェリーナが、ナギサの意に反してあえて真実を明かした事を汲んだ、と言ったところか。まあ、明言はしていないので、実際には恨み節なのかもしれませんが。
情を捨て空虚な復讐の道を歩み始めたナギサですが、社長はむしろ彼が専務を蹴落として這い上がってくるのを待ち望んでいた様子。専務と違いナギサを手駒として使いこなす自身があるのか、彼を叩き潰し彼の持つ様々な遺産を手に入れることが楽しみでしょうがないのか、それとも……。

ミズキが案じるナギサの身を案じる――と思わせておいて自分に優しい言葉をかけてくれたナギサを自分自身の意志で案じる、というイリスの姿がちょっと新鮮。イリスはミズキがナギサの事を異性として意識しているように捉えている節がありますが、実際にはどうなんでしょうかね? イリスの中でもナギサの存在が大きくなりつつあるようですが。最終的にナギサに手を差し伸べる役割は、ミズキではなくイリスが担う可能性もあるのかも。カイトという手もありますが、彼はどちらかというと導いたり見守ったりするポジションですし。