たこわさ

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アルスラーン戦記 第二十一章「別れの詩」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

ペシャワール城塞では、気位の高い一部の諸将が身分に関わらず登用されたアルスラーンの側近らを見下し反感を持つ状態が続いていた。特にザラーヴァントジャスワントへの差別意識は強く、諌めようとしたダリューンをも侮蔑する始末だった。このままでは全軍の統率にまで影響すると判断したナルサスは一計を案じる。
諸将が一堂に会する集会のさなか、万騎長シャプールの弟・イスファーンが激昂しギーヴに食って掛かった。ルシタニアに捕えられ晒し者にされたシャプールを弓で射て解釈したギーヴであったが、イスファーンは兄の命を直接奪ったギーヴに怒りをぶつけ、ギーヴもそんな理不尽な怒りをぶつけてくるギーヴを更に焚き付けるような言葉を浴びせ、遂にお互いに剣を抜いての争いになってしまう。
ファランギースの仲裁により争いは収まったが、ダリューンは必要以上に挑発的な態度をとったギーヴを叱責し、アルスラーンは問題行動の多いギーヴを軍から追放してしまう。
しかし、全てはナルサスギーヴ達の仕組んだ策だった。ギーヴがあえて憎まれ役を演じそれをアルスラーンが罰する事で、アルスラーンの公平性を強調する事を狙ったものだった。アルスラーンも策を事前に知っていたが、それでも仲間であるギーヴを悪役にし放逐する事に、申し訳なさと寂しさを感じずにはいられなかった。
結束を高めたアルスラーン軍は遂に王都奪還に向けて出陣する。足掛かりを固めつつ着実な進軍を進めようとするアルスラーンナルサスだったが、一部の将は早急に手柄を立て存在感を示したいと考える者達がいた。その急先鋒であるザラーヴァントとイスファーンは、同行していたトゥースが冷静に諌めるのも聞かずに不用意に兵を進め、結果、敵の罠に落ち孤立してしまう。
三人の部隊を救出するには進軍を止め探索を行うしかない。効率を考えれば彼らを見捨てるのが上策だが、アルスラーンは部下を見捨てる事を良しとせず、毅然とした態度で彼らの探索を命じる。しかし、エラムアルフリードらの探索も空しく、ザラーヴァントらの部隊は発見できなかった。悔しさを噛み締めるアルスラーン達だったが、その時ザラーヴァントらの居場所を知らせるかのようなリュートの音色が響き――。

感想

ギーヴはいいキャラながらも必要以上に好感を抱いてはいなかったのですが……今回の彼の振る舞いにはいちいち惚れざるを得ないな、と。ああ、彼ってツンデレだったのね(?)。彼は飄々としていて抜け目なく、少々倫理観に欠けるきらいすらありますが、恨みつらみを抱かない、実に気持ちのいい人物なのだな、とようやく気付きました。
逆に猪武者ザラーヴァントや逆恨みに近い怒りをギーヴにぶつけたイスファーンについては好きになれる日が来るのかな、とちょっと不安になりましたが(笑)。まあ、ザラーヴァントも悔い改めてアルスラーンの器の大きさに改めて忠誠を誓いましたから、きっとこれからは活躍してくれる事でしょうが。イスファーンはもう少し兄貴を見習って本当の意味での気高さを身に付けてほしいですね。挑発されたんでしょうけど、兄を屈辱から解放してくれたギーヴを逆恨みするのはちょっと器が小さすぎ。まあ、本気を出したギーヴの挑発には乗らない人間の方が少なそうではあるんですが。
しかし、とりあえずこのアニメは今期でいったん終了のようですから、ギーヴの出番はこれで終わりっぽいですね。もちろん、ナルサスからの依頼の件もあるので彼が物語から退場したわけじゃないのは分かりますが、それでもアニメ二期があるのか不明瞭ですので本当の意味での「別れの詩」になってしまう可能性が……。