たこわさ

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アルスラーン戦記 第十七章「神前決闘」感想

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

意識を回復したシンドゥラ王は、これ以上の戦禍を避けるためか、ガーデーヴィとラジェンドラの王位争いの決着を「神前決闘」でつけるよう命じる。勝者は神々の名の下にその正義が認められるという「神前決闘」。代理人も認められるこの戦いに、ラジェンドラダリューンに戦ってもらえないかとアルスラーンに頭を下げる。ダリューンに敵う者などこの大陸にはいない――そう確信するアルスラーンらはラジェンドラの申し出を了承する。
しかし、「神前決闘」の当日、ガーデーヴィの代理人として現れたのは常軌を逸する巨漢・バハードゥルであった。あまりにも人間離れしたその体格、腕力、そして痛みを全く感じぬその肉体を前に苦戦を強いられるダリューン。盾は砕け、兜を失い、剣も折れ、絶体絶命の窮地に立たされたダリューンを前に立場を忘れ取り乱すアルスラーン勝利を確信したバハードゥル、そしてガーデーヴィだったが、全てはダリューンの策のうちだった。慢心したバハードゥルの隙を突いたダリューンは、隠し持っていた短剣で一撃のもとに彼を討ち果たす。
ダリューンの見事な勝利シンドゥラ王はラジェンドラこそが次の王であると宣言するが、その時逆上したガーデーヴィが兵を扇動しラジェンドラアルスラーン達に襲い掛かってくる。一気に混乱に包まれる闘技場。アルスラーンにも兵達の刃が迫るが、ファランギースら侍従と、義により助太刀に来たジャスワントにより事なきを得る。
――神聖なる「神前決闘」に従わぬガーデーヴィに最早「理」はない。宰相マヘーンドラは主ガーデーヴィの暴走をいさめようと説得にかかるが、逆上したガーデーヴィは彼を「裏切者」として惨殺してしまう。ガーデーヴィのあまりに非道な行いに彼の兵達も思わず戦いを止め茫然としてしまう。そしてその時、ダリューンの叱咤が辺りに響き渡る。神前決闘」はシンドゥラの未来を決める神聖なものではなかったのかと。不服のある者は全て自分が相手になると――。

感想

戦場だとお粗末極まりない戦闘シーンですが、今回のように一対一の剣戟ではやはり光るものがありますね、このアニメは。戦場でも、一般兵はCGだからしょうがないにしても、メインキャラクターの立ち回り位は、もう少しどうにかしてもらいたいところ。
ダリューンの危機にアルスラーンが立場を忘れて取り乱したり、ラジェンドラに理不尽とも言える怒りをぶつけていましたが……彼がああいう状態に陥る事はナルサスダリューンも予想していたようにも思えますね。全てはダリューン自身の危機を演出する為の仕掛けだった、と。二人とも彼の人となりも強さも未熟さもよく弁えているでしょうから、やはり狙ってやったのかもしれませんね。
ガーデーヴィは予想通り底の浅さを露呈しましたが、その為にマヘーンドラが犠牲となったのはシンドゥラにとって大きな痛手でしょうね。殺気立っていた兵達が思わず戦いの手を止めてしまった様子からも、マヘーンドラがシンドゥラにとってどれだけ大きな存在だったか察せられます。珍しく沈痛な表情で彼の死を悼んでいたラジェンドラの姿も印象的。
さて、危うい場面はあったものの、アルスラーンはこれでラジェンドラに大きな貸しを作った訳ですが……次回予告をみるにラジェンドラはまだまだ姑息な策を弄しようとしている様子。まあ、どうせナルサスにしてやられるんでしょうが(笑)。あんまりラジェンドラが小物になり過ぎてもゲンナリしますから、せめてジャスワントを厚く遇するとか王としての器の大きさをみせてもらいたいところ。