たこわさ

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GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 第5話「イタリカ攻防戦」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

レレイ達が集めた飛龍の鱗を換金すべく、護衛と情報収集を兼ねてイタリカの街へと出発した伊丹達。しかし、彼らが向かう先、まさにイタリカの方向から煙が立ち昇っているのを発見し、俄かに緊張が走る。
その頃イタリカは、野盗と化したアルヌスの丘での戦いの敗残兵達による襲撃を受けていた。ピニャの指揮によりどうにか野盗を撃退したものの、彼らは一時撤退しただけでありまたすぐに攻め寄せてくる。危機感を募らせるピニャだったが、彼女の本隊の到着にはまだ時間がかかり、戦力は練度の低い民兵と彼女の僅かな供だけだった。自らの初陣が華々しさとはかけ離れたものである事に悔しさを隠せないピニャだったが、そんな彼女のもとへ奇妙な訪問者がやってくる。魔法使い、エルフ、「死神」と呼ばれる神官、そして炎龍を撃退したと噂される「緑の人」が――。

感想

この作品、人によって色々と思う所はあると思いますが、殺伐とした状況下でもきちんと生活臭を感じさせる、つまりは食事や睡眠の描写を忘れないし、ふと訪れる笑いの瞬間という描写からも逃げていないので、私的にはとても気に入っています。どんな状況下であっても人間に食事睡眠は必要だし、喜怒哀楽は捨てられない。時折シリアスさを演出するあまり登場人物たちがロボットみたいに感情が感じられない、もしくは単一の感情にだけ支配されて物語が進行する、なんて作品も見受けられますが、そういった演出はやっぱり「逃げ」なんですよね。生きている人間を描くことを放棄している。……まあ、過剰にコミカルさを強調したり食っちゃ寝してばっかりという作品も困りものですが。

さて、ややテンプレのきらいはあるものの、ピニャはそれなりのバックボーンを抱えたキャラクターになっているし、未熟とは言え伊丹達を囮として使うなど腹芸も出来るしで、ただの世間知らずのお姫様ポジションには収まらなさそうですね。この作品の傾向をみるに伊丹にコロッといってしまいそうな気もしますが(笑)。*1自分の力量を超えたピンチを前に、彼女が一皮むけられるか――恥や外聞に惑わされずに伊丹達を戦力として扱えるか、という所に注目。

そういえば、作中で自衛隊があまりにも実戦慣れ――大規模戦闘の後に心身のバランスを崩すものが出ない、対人戦闘を容赦なく実行できる――という点を批判している人がいるらしいのですが……専守防衛って戦わないって意味じゃない訳で、自衛隊が日々訓練しているのは何のためか、分かっていない人が多いんでしょうかね? 小学生かよ、と。あと、現実にもよくあるPTSDなどの症状については、もちろんフィクションだからあまり重荷を増やせないというのもありますが、アルヌス攻防戦での制圧射撃と砲撃(迫撃?)中心の戦い方からは、前線の兵士に出来るだけ負担をかけないという配慮が見て取れるし、そもそも銀座で一般市民を「虐殺」した連中を既に自衛隊は始末している訳ですから、ある程度の下地は既に出来上がってるんですよね。
逆に、今回のように小規模部隊がフェイストゥーフェイスで戦闘を行わなければならない段になれば、それらの疑問は当然のものとなってくるわけですが、さてさてどう料理してくれるのでしょうか?

あと、伊丹の身に異変が生じているのが気になりますね。いきなり日常会話に支障が無いレベルにまで特地の言葉を理解し始めちゃって。レレイは驚いてましたから、そうするとロゥリィからテュカが何かしたのでしょうか? それとも本当に頭を打ったせい? それとも作品上の都合かw

*1:恋愛的な意味だけではなく、人間的魅力にコロッと、という意味も含めて。