たこわさ

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うしおととら 第参話「絵に棲む鬼」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

尊敬する画家・羽生道雄の娘が同じ学校にいると知り「ぜひ絵のモデルになってほしい」と意気込む潮。しかしその娘・礼子は自殺をはかった過去から「死にたがり」と呼ばれており、また彼女に言い寄った男子には不幸な事故が襲うといういわくつきの少女だった。彼女は一年生の頃の麻子の友人でもあったが、麻子までも危ない目に遭ってしまい、それを切っ掛けとして他人と関わらないようになっていた。
それでも何とか彼女に絵のモデルになってもらおうと――笑顔になってもらおうと奮闘する潮。そんな様子を見て、礼子の幼馴染である学校有数の不良・間崎は彼女に近付かないよう警告してくる。潮はそれに反発し殴り合いになるが、潮の心の強さを察した間崎は礼子の過去について語り出す。死の間際、何かに憑りつかれたように絵を描いていた礼子の父。その父親の死後間もなく礼子の周囲に異変が起こり始めた、と。
礼子の周囲に付きまとう不幸、その原因は礼子を描いた最期の作品に憑りつき鬼と化した父・道雄にあった――。

感想

礼子の初登場時の不気味過ぎる表情が潮のお蔭で柔らかくなっていき、最終的には潮と間崎の頑張りで笑顔を取り戻すまでのその流れが実に秀逸。間崎も最初の悪人面からどんどんと男前になっていくという、大事に思い合う二人の共通点が何とも微笑ましい。身を投げようとした礼子を受け止めた時の彼の叫びには、思わず熱いものがこみ上げそうになった。格好良すぎる男性キャラクターが多い本作において、間崎は私的に五本の指に入る格好いいキャラクターだと思っている。
潮の声優さんの演技は回を追うごとに良くなっている印象。特にシャウト演技が酷かったのが、今回はかなり改善されていたように感じる。喉が開いてきた、と言ったところか。
鬼と化した道雄については、礼子に拒絶された際の絶望の表情が非常に秀逸ながらも、「絵画に潜む鬼」という特性を受けたタッチになっていなくて私的には残念で仕方ない。それこそ、90年代を思わせる質感には違和感を禁じ得なかった。