たこわさ

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グラスリップ 第2話「ベンチ」感想

OPの映像は過去の思い出、EDの映像はこれからの出来事(?)を表しているのかな、と今更ながら。
(以下、ネタバレ)
一方的に待ち合わせの約束を取り付けて去って行った転入生・沖倉に透子以外の面々は不信感を隠せない。だが、透子は沖倉の「あの日透子と同じものを観た」という言葉が気になって待ち合わせの場所に行く事にする。そんな透子を心配して幸も同伴する事に。待ち合わせ場所に現れた沖倉は、透子と幸に「自分は透子が抱えている悩みを解消できるかもしれない」と告げ、その言葉に真実味を感じた透子は二人きりで話す事を了承するが――。

祭りの夜、透子の視界に飛び込んできた不思議な光景。同時に聞こえてきた沖倉のものと思しき声。その正体が「未来の光景と言葉」だと沖倉の口から明かされました。透子は光景だけ、沖倉は言葉だけ、二人合わさって初めて映像と音声両方を垣間見る事ができるという設定は、「二人の間でしか共有できない特別な空間」が印象的な往年の大林宣彦監督作品を髣髴とさせますね。
透子は「キラキラしたもの」に意識を集中すると能力が発現するようですが、沖倉の場合は「油断」していると声を聴いてしまう、という事なのでまた違った発現方法なのかも。

さて、そんな非日常の出来事を挟みつつも、透子達の日常は進んでいきます。それぞれ、想い人に告白する意志を固めたやなぎと白崎ですが、その決意が仲良しグループであった透子達の間に劇的な変化を及ぼすのは必然。早速、やなぎは自分の想い人である雪哉が密かに片思いしている相手――透子に対し、牽制のように「雪哉に告白する」事を伝えてしまい、その事が結果的に雪哉の透子に対する性急な告白に繋がってしまい……。
傍目にも明らかな位に玉砕してしまった雪哉に対し、それを見ていたやなぎが何事もなかったように接したのは、彼女の優しさ故なのか、それとも雪哉の片思いが実らなかった事で少しだけ心が楽になった結果なのか……。私的には後者ではないかと思うのですが、前者という可能性も否定できず。

一方の白崎の幸への恋心ですが、何だか幸の透子への執着すら感じさせる友情をみるに、こちらも報われないんじゃないかな、と。幸の透子への想いって多分友情以外の感情も多分に含んでるでしょうから。

沖倉の登場がきっかけとなって変わり始めた透子達の関係。透子が未来を知りたいと沖倉を頼る気持ちも分からないでもないですが、今、目の前の現実について真剣に考えないで一種の「カンニング」をしようとするその態度が、事態をよりややこしい方向へ導いてしまうようにも見受けられ。
最後は爽やかに終わってほしいものですが、どうなることやら。

映像面では引き続き、P.A.WORKS作品では珍しいコミカルな表現が目立ちましたね。本編が恋愛関係のもつれがメインだけに、そういった描写に救われる場面も多々あり。雪哉が玉砕した時にそれに合わせたように透子の自転車がコケる描写とか、雪哉のピエロぶりも相まってシュールな笑いを誘いましたし(ぉ*1

*1:多分視聴者の多くが「自転車さんいい仕事し過ぎや! と感嘆したのではないだろうかw