たこわさ

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凪のあすから 第二十四話「デトリタス」感想

(以下ネタバレ)
ちさきに真正面から想いをぶつける紡。対するちさきは、五年の間に育まれた紡への想いを感じながらも「変わりたくない」という気持ちからそれを否定してしまう。紡から逃げるように家に帰り着いたちさきに、要はつとめて優しくちさきの「好き」を肯定するのだったが――。

我らの自己犠牲的イケメン、要が帰ってきました(´Д⊂ヽ
自分のちさきへの想いが変わらない事を表明しながらも、ちさきは「変わらない」からこそ紡の事が好きになっていったのだと優しく諭す彼の姿は、諦観の憂いに満ちた傍観者たるいつの日かのポジションそのもの。結局、一歩踏み込もうがジタバタしようが彼にシアワセは訪れないのか――と思ったその時、要のそれは「逃げ」だと糾弾する人物が一人。5年の時を経ても要への想いを捨て切れなかった女の子、さゆです。

悲劇のヒロインぶるな!!

要の今のありようを端的に表したその言葉。五年前も、そして今も要を見続けてきた彼女だからこそ言えた、その言葉。続けて彼女が投げかける、飾りの無い本心。ずっと待っていたというその言葉が、諦観と傍観を気取った要の心に届いたのは言わずもがな。
さゆは、幼い日々の憧れだけじゃなくて、同い年になった今も要を見続けた結果、また彼に恋をしたのですね……。そして真剣にその気持ちを伝えてくれた。その事が「誰も自分を待っていなかった」と思い込んでいた要にとって、どれだけの救いになったことか……。良かったね。・゚・(ノД`)・゚・。
一方で、「決して自分の想いを悟られてはならない」と決意する美海の姿が、実に痛々しい。さゆと同じかそれ以上の気持ちで、五年間一人の人に恋焦がれ続けてきた彼女。その想いの強さが、想い人の恋を後押しする形でしか表現できないなんて……。

さて、ちさきへの全力の告白で色々吹っ切れたのか、それともエナが身に付いた時に(美海と同じく)確信めいた感覚を覚えたのか、紡がうろこ様に直談判し、再びおふね引きを行う事に。五年前にあんな事があったというのに、皆乗り気で協力してくれるのは、環境異変による不安というよりも、過去の光達の頑張りを無駄にしたくないという想いからなのかもしれませんね。

しかし、まなかの中から失われた「好き」の気持ちは、家族・友人的なそれも含まれている様子。光達は恋愛的なそれだと思い込んでいますけれども、その齟齬が何か決定的な過ちに繋がったりしないかどうか、少々不安ですね。