たこわさ

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ちはやふる2 第19首「ゆくへもしらぬ こひのみちかな」感想

原作既読、前期視聴済み。
(以下ネタバレ)
勝戦、机くんと筑波が惜しくも負けてしまい、二敗と後が無い瑞沢高校かるた部の面々。ここで流れを変えるべく動き出したのは――頼れる部長・太一でした。やはりここぞと言う時に皆をまとめるのは太一の役目なんですよね。
とはいえ、太一の対戦相手は全国最強のかるた部の主将を務める男。生半可な策は通用しません。そこで太一が取った行動は……今までよりも「一歩前に出る」事でした。
思えば、太一はその過剰なまでのストイックさが強さであり弱点でもありました。普通の人ならば「運が悪い」と諦めるような場面でも「自分の精進が足りないからだ」と抱え込んでしまうのが太一という男です。そのストイックさが彼を求道者の如き修練の道へと駆り立ててきたのですが、それはプライドが高い事の裏返し。
勝負には時に実力以上に「何が何でも勝つ!」という気持ちがものをいう場合がある、という事は本作で繰り返し描かれてきたところですが、太一はプライドが高いが故に、「気合で勝つ」という力技に頼ってこられませんでした。それが今、遂に――。
自分の運の悪さは自身が一番よく知っている。もし、今後運命戦で一生勝てなかったとしても、今この時だけはどうか――。神頼みと言ってしまえばそれまでですが、何が何でも勝ちをもぎ取ろうという強い意志は、「流れを引き寄せる」かるたが強みの肉まんくんとの阿吽の呼吸を生み……。
最後に、太一達に勝利をもたらした札が「行く末も分からぬ恋の道行き」を詠った歌だというのが、何とも暗示的。

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