たこわさ

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「RATMAN」(10)感想

遂に10巻&連載5周年とのこと、おめでとうございます!
(以下ネタバレ)
「ヒーローブースター」によるヒーロー達の謎の暴走。その裏に潜むもう一人の「Sの因子」の持ち主・シン――いやいや、10巻にして真の敵役が登場とはまた引っ張ってくれます! ここからが本番、ということでしょうか。
物語が佳境に入った証拠、という訳ではないでしょうが、今回は九条・杉村記者・そしてなんと先輩にまでラットマンの正体が露見してしまいました。まあ、九条と記者さんについては早々と共闘しそうな雰囲気があったので分らないでもないんですが、まさか先輩にまであっさりバレるとは予想してませんでした。てっきりクライマックスでバレる→その場で共闘みたいな少年漫画的熱い展開になるかと思ってましたが、まあ「二人で協力して事の真相を探っていく」というこの流れも実に悪くない、というか。
「ヒーローに憧れ、自分もそうありたいと願う」という共通点から意気投合した二人ですが、実はそれだけではなく、互いに10年前のビル爆破事件の当事者である、というもう一つの共通点があった事が判明。確かに、今までも散々伏線が張ってありましたが、やはり当初から先輩は修斗の「パートナー」という位置付けだったんですかね。
さて、その先輩の力を借りて遂に10年前の真実――シャイニングマンに救われたという記憶は捏造されたものだったという事実に辿り着いてしまった修斗。彼がヒーローを目指し常に人々の為に強くあろうとした理由、それそのものが紛い物だった、という衝撃。間違いなく、彼のヒーローとしてのアイデンティティを根幹から突き崩すレベルの代物です。
10巻はここで終わっているので修斗が果たしてどんな状態になってしまうのかは、まだ明らかになっていません。もしかすると連載では「鬱期」に入ってしまっているかもしれません。
しかし、きっと修斗は立ち上がることでしょう。何故ならば、彼がラットマンとして人々を救い、ライバル達と戦い、時に他のヒーロー達と共闘し困難に立ち向かった姿は、紛れもない「ヒーロー」そのものなのですから。
11巻も楽しみです。