たこわさ

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ゲゲゲの鬼太郎(第6期) 第48話「絶望と漆黒の虚無」感想

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今回の満足度:1点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

まなの放った謎の力により、ねこ娘は消滅した。
その様子はすぐさまネットにアップロードされ、人間だけでなく鬼太郎達も知ることとなった。

妖怪への嫌悪をむき出しにする人間達。
人間から身を護るべきだと殺気立つ妖怪たち。

鬼太郎と目玉のおやじは、真意を問うべくまなのもとへ向かうが――。

感想

前回に引き続き、あまりのひどい展開にがっかりしてしまった。
恐らく世間では「盛り上がってきた」と評価されているのだろうが、私的には今までの物語をまったく踏襲していない、伏線もへったくれもない雑な展開に失望している。

まなの血筋については、この一年でそれを匂わす描写を、少しずつでも入れておけばよかったのに、全くと言っていいほど伏線のたぐいが張られてこなかった。
ここに来ていきなり「実は家系に秘密が」等と言われても、「は?」となってしまう。*1

また、何者かの扇動や洗脳によって、群衆ばかりかメインキャラクターまでもが振り回され、馬鹿化してしまうという展開は、作劇としては下の下の下。別の意味でゲゲゲだ。
視聴者は、全てが名無しの策略であることを知っている。けれども鬼太郎やまなは、まんまと(不自然なくらいに)それに乗っかってしまう。
彼らと視聴者の感情が乖離する、そんな脚本が魅力的と言えるだろうか?

まなは仕方ないにしても、鬼太郎のバカ化が酷すぎる。
目玉のおやじがあれだけ冷静な言葉をかけているのに、聞こうともせず、おやじが犠牲になってしまった。

……とは言え、この点は本シリーズにある程度共通していたことでもある。
本作の鬼太郎は、理知的さが著しく欠けた、情緒不安定な少年として描かれてきた。その点は伏線と言えなくもないが……この一年、彼の戦いにつきあわされた身としては「全く成長しとらんじゃないか!」と、呆れてしまう。

ねこ娘が最後までまなの身を案じていたのとは、対照的すぎる。

本作に本物のヒーローがいるとしたら、それは断じて鬼太郎ではないだろう。
ねこ娘と目玉のおやじ……常に他者の気持ちに寄り添うことを忘れなかった、彼らこそが本当のヒーローだ。

もう、ここから鬼太郎が改心し逆転劇を演じても、今までほど彼のことを評価できないだろう。
一年の締めくくりに、まさかこんな悪い意味でのキッズアニメの文法を持ち込まれるとは思わなかった。呆れる。

「ゲゲゲの鬼太郎(第6期)」はDMM.com他で配信中。

*1:一応、名無しの回想的なイメージ映像があったが、伏線と言えるのは正直アレだけ。