「コードギアス 復活のルルーシュ」感想――予想していたストーリーとは違ったものの、最高の「続編」だった
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遅ればせながら本作、観てまいりました。
記事タイトルの通り、予想していた内容とは少し違ったのですが……それでも満足度の高い映画となっていました。
本作を観る上での注意!
本作は、TVシリーズではなく劇場三部作の続編となっています。
もちろん、世界設定や大まかなストーリーの流れは同一ですが、いくつか改変されている部分があるので、TVシリーズしか観ていない、という方は戸惑われると思います。
Amazonでは劇場三部作が配信されており、第一部「興道」は現在Prime無料対象にもなっているので、予習の意味でも観ておくことをオススメします。
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(上記を踏まえて、以下ネタバレ含みます。コードギアスシリーズの常ですが、ネタバレしない方が楽しめる作品ですので、未見の方はブラウザバック推奨)
予想外のストーリー展開
私以外にもそこそこの方が、本作を「ルルーシュが復活するまでの物語」と考えていたのですが……蓋を開けてみれば、「徹頭徹尾ルルーシュが主役の物語」でしたw
そういった意味で予想外のストーリーだったのですが……むしろそれが「コードギアスらしいなぁ」と思わせてくれて、逆に安心感を覚えました。
TV版最終回を汚すこと無く復活したルルーシュ
「ルルーシュは本当に死んだのか?」
TV版最終回放映時、こんな議論がファンの間で活発にやり取りされていました。
ルルーシュが死んで終わったからこそ完成している、いやそれではC.C.が可愛そうだ等など、制作陣が徹底して「描いた通り受け取ってください」という態度を崩さなかった為に、この議論は長年続いてきましたが……この「復活のルルーシュ」では、その両者の思いをどちらも壊さないようなスタートを切ってくれました。
ルルーシュは、真実死ぬつもりでゼロ・レクイエムを実行した。
しかし、シャルルとの戦いや「集合無意識」を破壊したことで、ルルーシュには中途半端にコードが継承されてしまっていた。
その結果、ルルーシュは死んだが、その抜け殻たる身体がこの世に残されてしまった……。
「皇道」のラストで、ジェレミアとシャーリーの協力のもと、C.C.はルルーシュの亡骸を確保していました。
彼女ははじめから、ルルーシュ復活にかけていた訳ですね。
たとえそれが、ルルーシュ本人の思いを踏みにじる、C.C.の「わがまま」であっても。
ルルーシュの蘇生を知り、スザクは激高しましたが……C.C.の「私のワガママなんだ」という言葉を聞いて、それ以上怒れなくなってしまいました。
多分ですが、「ルルーシュ死亡派」の方々も、あのC.C.の言葉で全てを許せたのではないでしょうか?
C.C.のわがままなら仕方ない、と。彼女にも救いがあっても良いはずです。*1
オールスター集結
本作には、死んでしまった人間以外の前作キャラクターたちが勢揃いします。
一部セリフがなかったり、出番が極端に少なかったりするキャラもいますが……顔出しだけも含めて、殆どのキャラが再登場を果たしました。
特に、旧作では共闘することが無かったコーネリアとルルーシュが、同じ陣営で戦うという胸熱な展開が私的にはツボでした。
コーネリアはルルーシュのことを決して許しはしませんが、それでも弟への愛をすべて捨てている訳ではなく、また好敵手ゼロの実力も認めている。その絶妙なさじ加減がグッド。
――というか、ルルーシュはようやくまともな前線指揮官と共闘できた感がw
基本的にC.C.、カレン、ロイド、咲世子が全編に渡って活躍しメインを張りますが、途中から合流する扇と玉城も実にいい味を出していました。
特に扇。
TVシリーズでは「扇死ね」と視聴者のヘイトを一身に集めていた(上にキャストからも嫌われていた)彼ですが、劇場三部作で扱いがかなりマシになり、本作に至っては、ルルーシュへ命を指す出す事で許しを請おうとまでします。
180度扱いが変わったキャラかも知れませんねw
玉城もウザキャラなノリはそのままに、強運キャラにジョブチェンジw
彼の思わぬ行動がルルーシュや他のキャラのピンチを救ったりするなど、なかなかの活躍を見せてくれました。
……三部作の感想の時も書きましたが、それだけに田中一成氏の急逝が残念でなりません。玉城の扱いの良さは、スタッフからの田中氏への手向けなのかもな、等と本編とは別のところでしんみりしてしまいました。
――えー、あと、比類なきシャーリー派として触れておかなければいけないのですが、シャーリーも出番が少ない割に優遇されていて、色々と溜飲が下がりました。
直接台詞がある場面は本当に少ないのですが、C.C.から全幅の信頼を寄せられていたり、EDでは専用の一枚絵を用意してもらっていたりと、いたれりつくせり。
いやいや、谷口監督はじめ、スタッフはシャーリーへの贖罪に全力を尽くしたのだな、という感じですねw
ルルーシュも何だかんだ言ってシャーリーだけ特別扱いしてる所が、また。
……その分、カレンと神楽耶がちょっと気の毒でしたが。
荒削りな部分もあったが、エンターテイメント性の高い「コードギアスらしい」ストーリー
全体的なストーリーの流れとしては、TVシリーズのノリを意識してやってくれた印象。
ルルーシュのギアスの使い方がちょっとだけ優しくなった(人の命を使い捨てはあまりしなくなった)のが大きな違いと言えば違い、でしょうか?
戦術対戦術。
ギアス対ギアス。
KMF対KMF。
そういったバトル要素もまんべんなく散りばめつつ、ちゃんとルルーシュに「かっこいいポーズ」をさせたり、ヘタレさせたりもしつつw
やっぱりどこかで一回はヘタレてくれないと、ルルーシュじゃないですよね。
敵方が、「ルルーシュが平和をもたらしたせいで滅びかけている国」だったり、敵のギアスが「ルルーシュが集合無意識にギアスをかけたせいで偶発的に生まれた超常のギアス」だったりと言った設定も上手いな、と感じました。
正直、「ルルーシュが指揮して、スザク、カレン、コーネリアが前線に立ったら無敵じゃない?」と思っていましたが、シャムナのギアスもチート級。
もちろん、シャムナ自身が知略に優れていたからこそ、あのギアスを活かすこともできたんでしょうが。
そういった意味では、シャムナがあまりにも有能すぎて、弟のシャリオが哀れだったかもしれません。
だって、作中の「巻き戻し」回数から察するに、シャリオはおんなじ数だけスザクにボコられてるわけですからw
強キャラではありましたが、どちらかというと可哀想さが勝った印象です。
……他にも語りたいことは沢山あるのですが、もう一度くらい観ないと整理できない部分もあるので、まずはここまでで。
もう一度鑑賞する機会に恵まれるか、円盤が出た時にでもまた感想を書きたいと思います。
*1:ちなみに私も死亡派でした。