櫻子さんの足下には死体が埋まっている 第漆骨「託された骨(前編)」感想
今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
正太郎の学校の文化祭に櫻子が遊びに来た。意外に思いつつも純粋に喜ぶ正太郎だったが、櫻子のマイペースさは相変わらずで、立ち入り禁止になっていた理科室で勝手に骨格標本を眺め始める始末。そこを顔見知りの生物教師の磯崎に見咎められるも、櫻子は逆に標本の取り扱いのぞんざいさを巡って彼を責め始める。
櫻子の理路整然とした言動に圧倒されつつも、彼女が標本士であることを知った磯崎は、そこのところを見込んで前任教師が遺したまま放置されてきた骨格標本の整理を手伝ってくれないかと頼んでくる。喜び勇んで手伝いを快諾する櫻子の様子に正太郎はため息をつきつつも自分も手伝うと申し出る。
前任教師・佐々木が遺した骨格標本はいずれも見事なものであり、櫻子は終始上機嫌で作業を進めていた。しかし、ふとしたきっかけから櫻子が手掛けた標本が愛猫のものだったと知った正太郎は、「愛するペットは自分の手で標本にした」事実をあまりにも無感情に語る櫻子の姿に、仲良くなったつもりでも自分は彼女の事を何も理解できていないのではないか、言いようのない不安に包まれてしまう。
もやもやとした気持ちを抱えつつも作業を進める正太郎達だったが、その時、古い長持ちから人骨が出てきてしまい――。
感想
正太郎の気持ちは分からないでもないが、骨をこよなく愛する櫻子が愛猫を自らの手で骨格標本にして手元に置いている、という事実が何を表しているのか気付きそうなものですが……そこはそれ、正太郎は櫻子の常人離れした感性や価値観ではなく、それを理解し受け入れたつもりでいた自分自身の思い上がりに絶望した、という事か。まあ、「死因を確かめる為に解剖」の件がいけないかったのかもしれないが。
どちらにしろあまり気持ちのいい話ではなかったので、何気に櫻子に色目を使っているようにも見えた磯崎の抜け目なさ的な何かが逆に救いw
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