たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

アルスラーン戦記 第二十三章「聖マヌエル城の攻防」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

アルスラーン率いるパルス軍とヒルメス率いるルシタニア軍との戦いが始まった。城を擁し数の上でも上回るルシタニア軍を相手に、ダリューンをはじめとする猛将らで立ち向かうパルス軍。更にはナルサスの策によりキシュワード率いる別働隊が地下水路より聖マヌエル城への侵入を企てるが、守り戦に長けたサームはそれを察知しており、自ら迎撃に出る。
互角の戦いが続く地上では、功を焦ったザンデが城を出てアルスラーンの本陣めがけて突撃を開始。破竹の勢いで進撃するザンデの部隊だったが、彼の目指した本陣はナルサスの用意した偽物であり、まんまと誘い出されたうえに集中攻撃を受け壊滅、ザンデ自身も一騎打ちでダリューンに敗れる。
その頃、エトワールもルシタニア軍の一員として戦場を駆けていた。イアルダボード教徒としての熱狂的な信仰心は相変わらずであり、戦場でもそれが原因で空回っていたが、偶然にも見覚えのあるパルス兵――エラムの姿を見付けたエトワールは、アルスラーンが居る本物の陣を発見、これを好機とみて部隊を率い奇襲をかけるが――。


感想

ダリューンはザンデに対して「使える主が違っていただけ」と言っていましたが、客観的に見るとやはりヒルメス陣営には全く「理」がないんですよね(笑)。キシュワードがサームに向けたヒルメスの非道を糾弾する言葉が全て、というか。サームも「私くらいはあの方の味方を――」と言っていたり、内心、というか本心では自分達が既に正道から外れている事を理解しているんでしょうね……。「ブラック王子に仕えているんだが私はもう限界かもしれん」か。まあ、イノケンティス王よりは数千倍マシな主君ですが。
少しは柔軟さを身に付けてきたかな? と思われたエトワールも、ここに来てその狂信者振りを確かなものに……。ある意味「目をかけて来た」異教徒のボンボンだと思っていたアルスラーンの正体を知った事で、彼女の価値観に良い意味で変化が起こるとよいのですが……というか、少数とは言えアルスラーン含め手練れ揃いの本陣に少人数で斬り込んでる時点で避けられぬ死が待っていそうなものですが(笑)。まあ、もしかするとアルスラーンによって剣ではなく言葉で殺されてしまうかもしれませんが。