たこわさ

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アルスラーン戦記 第二十五章「汗血公路」感想

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

聖マヌエル城での戦いはパルス軍の勝利に終わった。
双方に大量の死者が出、特にルシタニア側は戦死者以外にも「殉教」した者が多く生き残りは僅かだった。アルスラーンはそれらルシタニアの生き残りを処刑せず、捕虜として受け入れることを決める。その中には女騎士エトワールの姿もあった。
狂信的なまでのイアルダボード教徒でありアルスラーンに対し一方的な恨みを抱くエトワールだったが、自ら面会に来たアルスラーンの言動や戦死したルシタニア人をパルス人と同じく丁重に弔うアルスラーンの様子に次第に態度を軟化させていき、「ルシタニアの捕虜達を無事故郷へ帰す」という目的を抱き、アルスラーン軍への同行を決める。
一方、聖マヌエル城から逃げ延びたヒルメスの姿はエクバターナにあった。敗戦の責をとがめるギスカールに対し自らの正体を明かしたヒルメスは、逆にギスカールの中にある欲望――ルシタニアの王となる野望を引き出し、新たな協力体制を築く。決戦の時はすぐそこに迫ろうとしていた――。

感想

エトワールがチョロ過ぎて昨今のラノベ的ラブコメが始まってしまいそうでひやひやしましたが*1、そうはならずに一安心。元々使命感が強かった彼女が、守るべき存在を認識する事で良識とか思いやりとかそういったものを獲得していく様は駆け足ながらも一つの成長物語としてはありかな、と。アルスラーンを筆頭にエラムファランギースアルフリードが彼女を見守るかのように世話を焼く姿からは、エトワールが本来持つ人徳――というか「駄目だこいつこっちがしっかりしないと」と思わせる本質を感じてしまったり。
しかし、エトワールって原作ではこんな重要キャラクターじゃなかった気がするんですが、続編があるとしたらこのまま主要キャラとしての立ち位置を続ける事になるんでしょうかね?

ヒルメスギスカールは遂に真の意味で結託しましたが……どちらも私利私欲が原動力という、実に分かりやすい悪役振り。イノケンティス王が善人に見えて来た!(笑
何とも中途半端な所で終わってしまい、しかもストーリー的には漫画版をとっくに追い越しているので第二期は現時点では絶望でしょうか? 全体としての出来も、実に凡庸な作品といった印象で終わってしまいましたし。

追記

この辺りもう少し掘り下げて語りたい気もする。

*1:真っ赤になるアルフリードとか、赤面周りの漫画的表現が目立ちました。