たこわさ

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グリザイアの楽園 5話「ブランエールの種I」感想

前シリーズ視聴済み。原作未プレイ。
(以下ネタバレ)

あらすじ

雄二がテロ事件の容疑者――テレビニュースで伝えられるあまりの事態に声を失う美浜学園の面々。何か事情があるはずと確信する彼女達は、事情を知っていそうな学園長・千鶴を問いただす。千鶴の口から語られた事、それは雄二が高度に政治的な取引の道具――ヒース・オスロとの交渉における手段の一つとして政府に確保されているという事、そして美浜学園がまもなく廃校となるという通達だった。更に千鶴は、「自分に何が起こっても探すな」という兼ねてから雄二が千鶴に預けていた彼女らへの伝言を明かす。JBからも最低限、許される限りの情報を伝えられるのが、深入りは許されなかった。
しかし、それでも彼女らは雄二の安否を気にかけていた。由美子は、私財と独自のコネクションを使い、情報収集を開始する。その中で、彼女は一人の情報屋の存在を知る。その情報屋のもとを訪れた由美子の前に現れたのは、かつて軍で雄二の戦友だったロビーその人で――。

感想

散々伏線が張られていたものの、最後に「彼女」―― 一姫が登場した件には思わず膝を打ってしまいました。「やられた!」というよりは「待ってました!」という感じですが。しかし、一姫、というか彼女を素体としたシステムが雄二に対するこの仕打ちを命令(判断?)したのかと思うとなんとも暗澹たる気持ちになりますね……。それともヒース・オスロへの交渉材料というのは建前で、一姫が弟を自分の手元に監禁したかっただけだったりして。

雄二を助ける為に美浜学園の面々が立ち上がる辺りの展開は、熱いながらも先行き不安ですね。最初は何で一番メンタル弱そうな由美子がリーダー? などと思ってしまいましたが、良く考えてみれば彼女は清濁併せ持つ組織の元跡取りみたいな人間ですから、むしろあのメンバーの中では一番指揮官向きなのかもな、と。幸という頼りになり過ぎる参謀もいますし、今回見せた行動力からもたぶん適任なんでしょう。
他のメンバーがあたふたしながら善後策を練る中で、一人マイペースだった天音の姿が印象的。たぶん彼女は、自分に出来ることと出来ないことを弁えていて、情報収集や作戦立案などは由美子や幸のような頭脳派に任せて、自分はいざ実行の段になった時に迷わず全力を尽くす、という事を端っから決めていたっぽいですね。学園の仲間達への信頼感半端ない、というか。やっぱり彼女は学園メンバーの姉というかオカンなんですなw
あと、天音は雄二本人への想いだけではなく、叶えられなかった一姫の想いを今度こそ自分が引き継ごう、という覚悟もあるのかもですね。今までは負い目でしかなかった後悔を、雄二が、そして彼の一緒に発見した一姫の書置きがこれからを生きる為の原動力に変えてくれたからこそ、今のさっぱりとした彼女の態度があるのかも。でも、ラスボス(?)が一姫となると……雄二と天音にとってはなんともつらい展開になりそうな。
しかし、指揮官、参謀&爆弾魔、雄二仕込みのスナイパー、運搬&機動力担当、と揃っている中でみちるの存在感のなさに泣きそうですね。一応、「もう一人の自分」と会話できるようになっているので、並列思考だとかそういった能力を発揮できそうなものですが……実戦で役に立つ技術なんだろうか?w