たこわさ

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第3話「静かに、雪ノ下雪乃は決意する」感想

第一期視聴済み。原作既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

修学旅行の一件以来、ぎくしゃくしてしまっている奉仕部の面々。八幡は表面上平静を装っていたが、妹の小町に辛く当たってしまったり、何でもない挨拶だけで戸塚に心配をかけてしまうなど、自覚の有り無しに関わらず内面では激しく動揺していた。
奉仕部の部室には、なんとも言えない空気が流れていた。いつも通り、飄々に振る舞う八幡だったが、雪乃は彼への怒りを隠しきれない。なんとか場を取り繕おうとする結衣だったが、八幡も意地を張って雪乃に対抗してしまい、状況は悪くなっていくばかり。
そんな時、平塚先生が奉仕部に「依頼人」を連れて来る。
今回の依頼人は、生徒会長の城廻と一年生女子・一色いろはだった。近々生徒会選挙が行われるが、一色は友人の「悪ノリ」で勝手に立候補させられてしまったという。対抗馬もいないなか、このままでは信任投票のみで彼女の当選が確実となってしまう。そこでなんとか、自分の信用を落とさずに落選する方法はないか、と奉仕部に相談に来たのだ。
問題が問題だけに、対策に頭を悩ませる雪乃と結衣だったが、そんな二人に対して八幡は、うっかりいつものような「自分が泥をかぶる」解決策を提示してしまう。言いようのない、悲しげな結衣の表情を見て自分の失策に気付く八幡だったが、時すでに遅く、激昂した雪乃は八幡と本格的に対立してしまう――。

感想

OP映像が正式版になりました。以前のバージョンも嫌いではありませんでしたが、普通に普通な普通のオープニングアニメで、まあ普通に好きですああいうの。第一期OPのように神懸った奴を期待するのも酷ですし。

さて、奉仕部の面々の仲はすっかりこじれてしまいました。

戸塚の挨拶に対して普通の対応をしてしまっている時点で、八幡の動揺の大きさが分かろうというものですね。それでも表面上は平静を取り繕おうとしているので、「いつものやり方」を通してしまう。雪乃はその逆で、最早場を取り繕おうという考えが全く浮かばない位に怒り心頭な様子。今までは激怒していても表向き平静を保とうという理性があったのに対し、今回は傍目にも分かるくらいに動揺し怒りに身を震わせるという……。彼女がいかに八幡に信頼を寄せていたのか分かろうというもの。
八幡と雪乃が意地を張り合う一方、自分だって傷付いているし感情と折り合いがついている訳でもないのに、何とか奉仕部を崩壊させないように立ち回ろうとする結衣の姿が健気すぎて泣けてきます。ただ、彼女は潤滑油としては優秀でも、流れを急激に変える力は持っていないんですよね……。八幡と雪乃の信頼も時間をかけて獲得したものですし。無力感に打ちひしがれている彼女が次にとるべき手は……。

新キャラクターの一色いろはは、八幡が敏感に感じ取ったように「狙った」かわいらしさを振りまくなかなかの強敵のようです。八幡に対しても愛想を振りまく時点でその計算高さ――凡百の女子ならば八幡の利用価値に気付かずスルーするのに対し彼女は敏感に八幡の本質を感じ取って見せた――は分かろうというもの。声優さんの演技も実にかわいこぶりっ子感が良く出ていて、原作読者としてもかなり満足です。

雪乃の姉・陽乃もまたまた登場――というかキャラデザが変わっているので最初誰か分かりませんでしたが(笑)、相変わらずの悪魔振り(決して小悪魔ではない)で、八幡だけでなく葉山まで犠牲に……。葉山は八幡が陽乃に「好かれている」とした上で、彼女は「好きなものをかまいすぎて殺す」か「嫌いなものを徹底的に徹底的に潰す」かしかせず興味のないものには「何もしない」と語りましたが、では果たして葉山はどれに該当するのかな? と考えると、葉山の陽乃――更には雪乃に対して抱いている感情の正体がなんとなく分かってくるような。

そして八幡がナイーブになっている時にやってきた最悪の災厄、折本かおり。八幡に消えないトラウマを植え付けた張本人ですが、当の彼女にはその自覚が無い様子(とぼけている可能性も大)。陽乃と葉山とかかわりを持ったことで、彼女も必然物語に絡んでくるわけですが……それが八幡にどんな影響を与えてしまうのか。