たこわさ

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寄生獣 セイの格率 Stage:5「異邦人」感想

原作既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

登校途中、クラスメイトの長井が不良グループに暴行されている現場を目撃した新一は、彼をかばい自らも暴行されてしまう。新一の態度に興味を持った不良グループの少女・加奈は、新一に不思議な感覚――寄生生物の存在を感覚的に認識している――を覚えた彼女は、村野と一緒に下校中の新一にちょっかいを出してくるようになる。その事が気に入らない不良グループのリーダーは、新一と村野を拉致し暴行しようとするが、新一の折れない心と、彼を助けるべく駆け付けた学校の面々により最悪の事態は避けることが出来た。
思わぬ災難に見舞われはしたものの、新一と村野の絆はより深まった。しかし、ひと時の幸せに浸る新一のもとに、父から母親に不測の事態が起こった事を報せる電話が――。

感想

寄生獣という作品のターニングポイントであり、本作の方向性を決定付けたであろう、新一の母親に降りかかった不幸。錯乱する新一が、母親への本心――例えば自分のせいで残ってしまった火傷の跡に対する思い――を吐露する件は、こうしてアニメーションとして観ても胸に来る、なんとも残酷なシーンです。
心臓を一突きにされてしまった新一の命運も気になり、物語としての一つのクライマックスシーンであるとも言えると思いますが、変にカットしたりしないで長い時間を割って描いてくれたことに、感謝感激。
ただ、新一の母親が襲われるシーンについては、原作から酷く改悪されたな、とも思いました。あのシーンは、刃が迫る中何の気なしに振り返る彼女の最後の表情が酷く重く心に残る名シーンだったというのに、何故明示的に首が落されたシーンまで描いてしまったのか……。
岩明作品独特の「間」をもう少し大事にしてくれれば原作ファンももっと楽しめるのですが……。
あと、不良グループが現代的なビジュアルに変更されていたのに、新一の学友たちがあんまり変わっていなかった所には全力で吹きました。村野のデザインも変えないでほしかったなぁ、とw

寄生獣 セイの格率 オリジナル・サウンドトラック

寄生獣 セイの格率 オリジナル・サウンドトラック