たこわさ

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寄生獣 セイの格率 Stage:3「饗宴」感想

原作既読。
(以下ネタバレ)
真実を知りながらも続発する「ミンチ殺人」に対して何もできず、新一は葛藤の日々を送っていた。そんなある日の通学中、ミギーが近くに「仲間」がいると警告してくる。ミギーの感じる反応は段々と限定され、遂には新一の通う高校にまで特定された。そんな状況下で、全校生徒の集まる全校集会が行われる。警戒心と緊張感に包まれる新一にミギーが示した「仲間」は、なんと壇上の新任女教師で――。

異色のパラサイト・田宮良子が登場。宿主の生活環境を丸ごと受け継いで、高校教師として授業をそつなくこなしてしまうその恐るべき知性もさることながら、自己存在証明――我々はどこから来たのか、我々はどこへ行くのか、我々は何者なのか――を思考するそのあり方はまるで哲学者のようでもあり。ミギーも博識であり同じく自分達が何者なのかについて考えをめぐらしているようですが、ミギーの場合体のコントロールも人間への擬態も行う必要がないので、余ったリソースを活用しているという印象であり、田宮良子はそれとは全く異質の存在であると言えるでしょう。

また、その考え方は同じく頭を乗っ取った寄生体である「A」にとっても理解しがたいものだったようで、田宮良子が新一とミギーに互いに不可侵である事を提案したのを無視し、新一達を抹殺しようと高校に堂々と乗り込んできます。
疑問なのは、何故田宮良子ほどの知性のあるパラサイトが、Aのような脳筋をパートナーに選んでしまったのか、という事。単純に「実験」に協力してくれる「仲間」がAだけだった、という事なのかもしれませんが、それにしたってAをミギーと新一に引き合わせる事で何らかのトラブルが起こる事も予想できそうなものですが。
その辺りは、知性と精神的な成熟はまた別物、という事なのかもしれませんね。

ところで、田宮良子の事を「美人」と生徒達が評していましたが、作中のデザインを観る限り造形的に整っていてもとても「美人」と感じるような表情をしていないのですが……。それともあの爬虫類フェイスは新一から見た彼女なのかw