たこわさ

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キャプテン・アース 第23話「真夏の夜の夢」感想

(以下ネタバレ)
ダイチが目覚めたのは夏休み前の最後の日、あの運命の日だった。不思議な既視感と大切な何かを忘れている感覚を覚えながらも、追体験のような日常を過ごすダイチだったが――。

最終決戦を前に、内的世界や「選ばなかった未来」の中で、主人公が自分の決意を改めて再確認するエピソードと言うのは、実はそんなに珍しくないものですが、今回はダイチの目覚めを邪魔しようとするキルトガングと、彼に選択肢を押し付けるのではなく自分で考えて選ぶ事を促すべく現れた(顔ははっきり映らなかったものの)今までダイチの成長を温かく見守ってきた周囲の大人達との対照的な姿が印象的。
アカリもエンタングル・リング突入の寸前で我を取り戻したかのような反応を見せていたので、彼女も似たような内的世界を彷徨っていたのでしょうね。そしてテッペイ(と多分ハナも)は彼らがどんな光景に出会ってしまうのかを知っていたようですが、同時に彼らがきちんと「帰ってくる」事を信じてもいたようで。

興味深いのは、ダイチを現実から遠ざけようと暗躍する遊星歯車装置の面々の言動に、多少のブレが見受けられた事。アマラ、モコ、アイは単純にダイチを「正解」から遠ざけようと働いたのに対し、バクはダイチに何かを問いかけるような態度をとり「キャプテン」という大ヒントとなる言葉まで投げかけている。リンはいつの日かと同じような挑発の言葉を向け、ジンは一見するとアマラ達と同じような態度に見えるけれども「選択しなかった未来は存在しない」という意味深な言葉をダイチに送っています。そして何より、セツナの言動に至っては、最終決戦を前にダイチと対話する事自体が目的だったような節さえあり。
一つの価値観を共有していたであろう遊星歯車装置という存在に、アバターからの経験がフィードバックされ個性が生まれている事を暗示しているであろうこの事実は、戦いがどういう決着を迎えるかを示唆しているようにも見えますね。特に、セツナの「まだ貴方と同じ方向へは進めない」という言葉は、セツナ自身がどこかで人類との共存との可能性がないかどうか僅かな希望を持っている事を示しているようにも思えます。
つーか、ダイチさんちゃっかりセツナ相手にフラグ立ててましたよ! この全宇宙的天然スケコマシ!!w