たこわさ

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キャプテン・アース 第21話「キャプテンの条件」感想

(以下ネタバレ)
広末によりハナが人質にとられた。非常事態に揺れる天海道。更には不審な動きをするスペースデブリが天海道に迫る。遊星歯車装置・アイがデブリを操っている事を知らぬまま迎撃に出たテッペイだったが、大量のデブリを前にネビュラエンジンは損壊し行動不能に陥ってしまう。天海道を守る残された手段は、アースエンジンの新装備・ブーステッドプラズマグナムによる一斉掃射のみだが、デブリへの射線上には動けぬネビュラエンジンが――。

ダイチの見せた「覚悟」に広末があっさりと改心してしまった件には、正直違和感バリバリ。もちろんその判断に、ブーステッドプラズマグナムが予定通り(あるいは予定以上)の破壊力を見せた事や今までダイチが逆境を跳ね除けてきた姿を見てきたこと、そして箱舟派に対する疑問――自分や自分の家族を含む無辜の人々の犠牲が前提になったその思想――への潜在的な反感が手伝った事は想像に難くないのですが、それにしても今までの描写が小悪党でむっつりスケベという印象しか残さなかったので、あそこまで誠実な人物だという前振りが無かったよな、と。

ダイチがテッペイの死を覚悟しつつ引き金を引くという展開は、この手のスーパーロボットアニメでは実に珍しい展開ですが、「犠牲」という言葉を使わずに「自分がテッペイを殺していた」と真正面から「死」への責任と向き合うというその姿勢は、ある種の「英雄の資質」を示しているので、これも一つのヒーローの形なんですよね。そして、「犠牲」という言葉を免罪符にして多数を切り捨て小数を生かす箱舟派の思想と真正面から対立するという不退転の意志表示でもあり。

しかし、ここまで人類同士の諍いがクローズアップされてしまうと、本当の敵であるキルトガングの存在が霞んでしまうよな、と。毎度の事ではあるんですが。