たこわさ

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キャプテン・アース 第15話「本当の自分」感想

(以下ネタバレ)
ダイチに「本当の自分」を知られたくないという想いから、一人行方をくらましてしまったハナ。ハナは彷徨う内に、かつて出会った不思議な少女・セツナ再会する。しかし、そこにアマラとモコが現れ――。

前回が江の島海岸、今回は鶴岡八幡宮と、鎌倉・藤沢民としては思わずニヤリとしてしまう舞台設定でした。

さて、紆余曲折あったものの、ダイチからのキス――精神交感を伴うそれ――によってハナは真実を知ってもなお、ダイチが自分の事を好きでいてくれる事を確信した訳ですが、その出来事が彼女にライブラスターを撃つ力を与えた事は想像に難くありません。
無邪気で天然な少女を演じていた*1ハナですが、その内面は常に自己否定や孤独感に苛まれていた事が伺えます。純粋な人間ではなく、テッペイのようにキルトガングのアバターでもない、種として分類すれば恐らくはこの宇宙でただ一人しか存在しない、そんな自分。しかも彼女は「ブルーメ」に蓄えられたオルゴンエネルギーを操り、巨大な隕石ですら消滅させてしまう力を持っている。
ダイチに近付けば近付くほど、彼と自分の違いを否応なく思い知らされてしまうというジレンマ。通常人類と比べれば「化け物」そのものである自分という存在への嫌悪感――あるいは恐怖感。そういった物を抱えていたからこそ、彼女は逃げ出してしまったんですね。
でも、ダイチの自分への想いは、そういった物をすべて包み込んでくれるものだった。本当の自分を拒絶し恐怖し悲観していた彼女が得た「ありのままの自分でも受け入れてくれる人がいる」という喜び。それが自己否定の強かった彼女に、確固たる自己肯定を発現させた結果が、ライブラスターを撃つ能力の獲得だったのでしょう。
ライブラスターを撃てる条件が何なのか、いまだ明示こそされていませんが、今までの例をみるに、それはきっと「確固たる自己肯定」と「誰かの力になりたい」という想いなのではないかな、と。キルトガングがライブラスターを撃てないのは、搾取する側である彼らには前者はあっても後者はないから、なのかもしれません。

これでミッドサマーズナイツ側に三丁のライブラスターが揃った事になりますが、一方の遊星歯車装置も彼らのエネルギー問題を解決するという「セイレーン様」が覚醒した事で、今までのようにエネルギーを気にしながら行動する必要がなくなったのでしょうから、まだまだ状況は遊星歯車装置側有利、といったところか。
しかも、彼らに協力している高性能コンピュータ「パック」が仮初の主人を始末し、遂に自ら自由に動ける体を得てしまった事で、人類側に潜む「敵」もより強大になる事が予想され……。

ただ、少し気になるのはセツナ=セイレーンが何やらダイチ達の様子を伺っているような描写があった事。彼女が連れていたリスが消えた件も気になります。

*1:もちろん、元々の性格もああなのでしょうが。